Kraftonがエヌビディアと協力し、バトルロイヤルゲーム「PUBG: BATTLEGROUNDS」に人工知能(AI)同僚とともにプレーする新規モードを披露した。プレイヤーと音声でコミュニケーションを取りながら共に戦うAIチームメンバーを実装する構想である。ただしAIキャラクターの戦闘能力が期待に及ばず、高い推奨スペックやPCバン(インターネットカフェ)の設定問題でモードの利用が容易でないとの声が出ている。
18日ゲーム業界によると、KraftonはバトルグラウンドアーケードにAI技術「PUBG Ally(エライ)」を適用した新規モード「Ally Duo(エライデュオ)」をベータサービスとして17日に公開した。このモードでは利用者が「エラ」という名前のAI同僚とチームを組んでゲームを楽しめる。
◇ エヌビディアACE技術を基盤に実装
Kraftonによれば、エラは単純なボットではなく、利用者とともにプレーするAI技術基盤のキャラクター(CPC・Co-Playable Character)だ。既存のボットやNPCのように定められた条件にのみ反応する水準を越え、利用者の音声指示とゲーム状況を理解し、移動、アイテム収集、戦闘対応など必要な行動を自ら判断するよう設計したという説明である.
エラの設計にはエヌビディアのゲーム向けAI技術であるエース(ACE)が活用された。ACEはゲームキャラクターが利用者の言葉を理解し、状況に応じた行動と応答を生成するのを支援する技術である。Kraftonは昨年1月、米国ラスベガスで開かれたIT展示会CES 2025でエヌビディアと共同開発したCPC技術を初めて公開し、同年3月に披露した人生シミュレーションゲーム「InZoI(インゾイ)」にもこの技術を適用した。
ただしInZoIでAIがNPCの言動を自然にすることに主に活用されたのに対し、Ally DuoではAIが利用者とともに戦場に投入されるチームメンバーの役割を担う。プレイヤーはマイクを通じてエラに追従を指示したり、交戦状況で敵の位置を共有できる。エラも自身の位置や行動、体力状態を音声で知らせる。単なる対話型キャラクターを越えて実際のプレーに参加するAIである点で、サービス開始前から利用者の間ではエラの完成度に関心が集まった。
◇ 意思疎通は合格点、戦闘はなお未完成
ベータテスト開始後、エラのゲーム理解度に対する利用者評価はおおむね肯定的だ。エラが利用者と合流したりアイテムを分け合い、ダメージゾーン(安置外)を避けなければならないという基本ルールを理解する様子は、人と類似した水準だという反応である。音声で行われる基本的な意思疎通も無理なく作動するとの評価が多かった。
しかし実際のプレーではまだ限界が鮮明だった。エラがドアを開けられなかったり地形にはまるなど、基本的な移動と相互作用でぎこちない場面が現れ、エイムなど交戦対応も未熟だという指摘が続いた。人の利用者なら容易に処理できる状況でも動きが滑らかでなく、円滑なゲームプレーのためにはエラとの協業をあきらめて一人でプレーする方がよいという反応も出た。
Ally Duoモードがオンデバイス方式を採択したことに伴う問題もあった。オンデバイス方式はAI処理をサーバーではなく利用者PCで実行する方式であるため、通常モードより高いPC性能を要求する。バトルグラウンド通常モードの推奨仕様は2016年発売のGeForce GTX 1060級グラフィックカードでも満たせるが、Ally Duoモードの推奨仕様は2023年発売のGeForce RTX 4070級だ。代表的ベンチマーク指標基準でRTX 4070はGTX 1060 3GBよりグラフィック性能が約2.7倍高く、グラフィックメモリー容量も3GBから12GBへ4倍に増える。
また一部の利用者の間では最小仕様を満たしたにもかかわらずゲームが正常に実行されなかったり、プログラムが強制終了される事例が出た。さらにAlly Duoがエヌビディア技術を基盤に設計されたベータサービスであるため、エヌビディアGeForce RTXグラフィック処理装置(GPU)が搭載されたPCでのみ利用できる。AMD GPUを使用するPCでは現在このモードを利用できない。
こうした問題でPCバンを訪れた利用者も不便を被った。Ally Duoを実行するにはWindowsの「ハードウェアアクセラレータGPUスケジューリング」機能をオンにしてPCを再起動する必要がある。しかし記者が直接訪れたPCバン3カ所はいずれもこの機能がオフになっていた。機能をオンにして再起動してもPCバンの特性上設定が初期化されて再びオフとなり、結局3カ所すべてでAlly Duoを実行できなかった。
◇ 「フィードバックを通じて技術完成度を高める」
それでも業界では、KraftonのAlly Duoモードの投入自体は意味のある試みとみている。バトルグラウンドのようにリアルタイムの判断と戦闘変数が多いゲームにAI同僚を適用した点で、AIの活用範囲を大きく広げたとの評価だ。Kraftonも今回のベータサービスが実際の利用者環境で多様なフィードバックを確認し、これを踏まえて技術の完成度を高めることを目的としていると説明した。
Krafton関係者は「エラを活用した追加モードやサービス、正式リリース日程などは現在具体的に確定しておらず、ベータ期間中に確認した利用者体験とフィードバックを基に検討し、追って案内する予定だ」と明らかにした。