通話録音アプリケーション(アプリ)「スイッチ」を運営するスイッチボードが、科学技術情報通信部傘下のソウル電波管理所を相手取り提起した「是正命令取消」訴訟で勝訴した。
15日ソウル行政法院によると、裁判所は「ソウル電波管理所はスイッチボードに下した是正命令を取り消し、訴訟費用を負担せよ」として、原告勝訴の判決を下した。
スイッチはSKテレコム「エイドット」、LG U+「イクシオ」のように通話録音機能を提供するアプリである。通話録音、テキスト変換、人工知能(AI)通話要約などの機能を備える。エイドット(2022年5月)、イクシオ(2024年11月)より前の2020年7月にサービスを開始した。主にアイフォーンを使うKT利用者がこのアプリを使う。SKテレコム・LG U+と異なりKTは自社の録音アプリがないが、アイフォーンはギャラクシーと異なり、標準搭載の録音機能を利用すると通話当事者に「録音されます」という案内音声が自動送出される。
ソウル電波管理所は先に2024年6月、スイッチが電気通信事業法第84条の2第2項(発信番号の虚偽表示の禁止)に違反したとして、スイッチボードに是正命令処分を行った。
スイッチボードは、スイッチアプリを通じて発信人(010番号)がかけた電話をインターネット電話(VoIP)に変換し、受信人にインターネット電話(070番号)でかける。インターネット電話で行われるデータで通話録音が実施されるため、アイフォーンの録音告知を回避して通話録音が可能だ。このとき受信人の携帯電話には、発信人のインターネット電話番号「070-XXXX-XXXX」ではなく、元の携帯電話番号である「010-XXXX-XXXX」からかかってきた電話と表示される。
ソウル電波管理所は、スイッチがインターネット電話(070)で電話をかけながら、受信人に発信人の「010」番号を表示したことが電気通信事業法違反に当たると判断した。
ソウル電波管理所は「これは電気通信事業法が禁止する発信番号の虚偽表示だ」とし、「010」番号ではなく「070」番号を発信番号として表示するよう是正命令を出した。さらに「利用者にこの事実を告知し、これに伴う利用者保護対策(返金、利用解約など)を用意・実施して提出せよ」と命じた。
しかし裁判所は、発信人の移動通信電話番号をそのまま受信人に表示したことは、発信番号の虚偽表示には当たらないと判断した。
裁判所は「受信者の立場では、自分に実質的に発信した者が誰かが重要であり、その発信がどのような経路を経たのかは付随的な問題だ」とし、「発信人の電話番号がそのまま表示されることが、加入者と受信人の双方の立場から通話の本質に合致する」と判断した。さらに「『070』番号を通話の発信人として表示することの実益を理解し難い」と付け加えた。
裁判所はあわせて「ソウル電波管理所は2021年に当該サービスに対する現場点検を終えた後、格別の違法事項はないという公的見解を表明したにもかかわらず、このような是正命令処分を行った」として、「本件処分は信頼保護の原則に違反する」とも述べた。