チョ・ナンミンAngel Robotics代表が先月14日、ソウル広津区の本社でChosunBizの取材に応じている。/記者チョン・ドゥヨン

「フィジカル人工知能(AI)は、やりたくない・面倒だ・危険だと感じる作業を誰かが代わってくれたらという人間の長年の欲求が、データ・AI・ロボット技術と結びつき物理世界で実装される過程である。『欲望の実現』が市場として先に開く分野は、人を代替するヒューマノイドではなく、人の体に装着して歩行・耐久・回復の能力を助けるウェアラブルロボットだと見ている。ヒューマノイドは労働代替に伴う社会的抵抗を乗り越えねばならないが、ウェアラブルロボットは患者・高齢者・産業現場の労働者のように『自分の体を再び使いたい』という切実さから出発するためだ。」

チョ・ナムミンAngel Robotics代表は先月14日、ソウル広津区の本社でChosunBizと会い、年初からグローバルテック業界の話題となったフィジカルAIをこのように説明した。ChatGPTで代表される生成AIが画面内で文章・コード・画像を作ったのに対し、フィジカルAIはAIが実世界に出て人を代替または支援する段階だということだ。

Angel Roboticsは2017年2月に設立され、2024年3月に技術成長企業特例でKOSDAQ市場に上場したウェアラブルロボット企業である。▲歩行リハビリ訓練用ロボット「エンジェレックスM20」▲回復・維持期患者の歩行補助を狙った「エンジェルスーツH10」▲産業現場の労働者の腰の負担を減らすウェアラブルスーツ「エンジェルエックス」▲ロボットの中核部品と研究・教育用モジュールをまとめた「エンジェルキット」などを通じて売上を上げている。エンジェレックスM20とエンジェルスーツH10を中心に国内外の医療機器認証を獲得し、技術力を証明した。3月にはフィナンシャル・タイムズ(FT)の「アジア太平洋地域高成長企業500」に選定された。

Angel Roboticsが回復・維持期の患者向け歩行支援を狙って投入したウェアラブルロボット「エンジェルスーツH10」。/記者チョン・ドゥヨン

◇ ヒューマノイドよりウェアラブルロボット市場が先に開く

チョ代表はフィジカルAIを理解するには、ロボットが「なぜ、今」再び注目されるのかを見るべきだと述べた。チョ代表は「ロボットという言葉は昔からあったが、主に反復的な動きを自動化する装置とみなされてきた」とし、「今のロボットが過去と異なると受け止められる理由はデータにある」と語った。文章・音声・映像がデジタル化されAIが学習できるデータになり、今や人の動きと物理世界の相互作用までデータとして処理される段階に入ったという説明だ。

チョ代表はフィジカルAIの諸分野の中でも、Angel Roboticsの主力であるウェアラブルロボット市場がヒューマノイドより先に開く可能性があると見た。工場や物流現場にヒューマノイドが入れば生産性向上への期待とともに雇用代替への抵抗も大きくならざるを得ない。これに対しウェアラブルロボットは人を押しのける技術ではなく、人の能力を回復・維持・拡張する技術であるため、受容性が相対的に高いということだ。

チョ代表は「ロボットは人を代替するロボットと人と共に働くロボットに分けて見るべきだ」とし、「二つのロボットに求められる技術も異なる」と述べた。さらに「人が直接着るロボットは少しでも重かったり不便だったりすればすぐ拒否される」とし、「技術の基準が機械ではなく人の体へと変わる」と付け加えた。既存のロボットが定められた位置へ動く『位置制御』中心だったとすれば、ウェアラブルロボットは装着者の意図を読み必要な力を与える『力制御』が核心だという説明だ。

チョ代表は、人中心のロボットを実現するにはデータが核心だと述べた。言語AIがテキストを学習して発展したように、フィジカルAIは人の動き・意図はもちろん機能低下・回復の過程まで学習しなければならない。チョ代表はこれを「シム・トゥ・リアル(sim-to-real・仮想環境で学習した技術を現実に適用する方式)を越え、リアル・トゥ・リアル(real-to-real・実際の使用データを再び現実の動き改善に用いる方式)へ進むこと」と説明した。シミュレーションで学習したロボットを現実へ移すにとどまらず、実際に人がウェアラブルロボットを装着して動くデータが再びAIの学習材料となる構造だということだ。

◇ ウェアラブルロボット普及のボトルネックは『制度』

チョ代表は技術の進歩速度に制度が追いつかない点が、ウェアラブルロボット普及のボトルネックだと見た。チョ代表は「医療用ウェアラブルロボットが病院内の一部装置にとどまらず、高齢化とケア負担を軽減する社会インフラになるには、既存の治療行為中心の医療保険償還体系では限界がある」とし、「歩行機能の改善、転倒リスクの低減、ケア負担の緩和、退院後の日常復帰といった効果は、単純な1回の治療行為の価格だけでは評価しにくい点を制度に反映すべきだ」と述べた。

2024年10月に代表取締役として会社に合流したチョ代表の課題は黒字転換である。Angel Roboticsは昨年、売上約46億4000万ウォン、営業損失約102億8000万ウォンを記録した。医療用ウェアラブルロボットを中心に売上基盤を築いてはいるが、研究開発と製品ポートフォリオ拡大に伴う費用負担で赤字が続いている。

チョ代表はこれを打開するため海外進出に注力している。Angel Roboticsはチョ代表就任以降、タイ・ベトナム・マレーシアなどで主要製品の医療機器認証を取得した。チョ代表は「アジア市場で先に経験とデータを蓄積し、米国と欧州市場へ段階的に進出する」と語った。以下、チョ代表との一問一答。

チョ・ナンミンAngel Robotics代表が「エンジェルスーツH10」について説明している。/記者チョン・ドゥヨン

- ウェアラブルロボットにも多様な分野がある。どの分野が先に浮上すると見るか。

「医療はフィジカルAIが最も明確に価値を証明できる領域だ。患者は実際に動きを回復しなければならず、医療スタッフはその回復をより安全かつ効率的に支援する方法が必要だ。病院も治療効果を高めながら、より多くの患者を管理できる構造を望む。技術の必要性と需要が既に明確な市場だ。医療は高度な安全性・有効性・信頼を要求する。参入は難しいが、医療で検証された技術は他産業へ拡張する際に強固な基盤となる。医療を単なる最初の売上先ではなく、フィジカルAIの基準を作る市場と見ている。」

- 医療の次に迅速に適用される領域はどこか。

「産業安全と防衛だ。作業者の筋骨格系の負担を減らし、反復作業の疲労を下げる方向で活用できる。工場がいくら自動化されても人が完全に消えることはない。重い荷重と反復作業は依然として人の体に負担を与える。ウェアラブルロボットは作業者の安全と生産性を同時に高められる。防衛では兵士の荷重負担を減らし、機動性と任務継続能力を高める方向へ発展し得る。」

- ウェアラブル普及を阻害する要因として規制を挙げたが、どのような変化が必要か。

「ウェアラブルロボットのための別途の試行償還と保険体系が必要だ。既存のリハビリ治療や運動療法と同じ物差しだけで評価するのではなく、AI・センサー・データに基づくウェアラブルロボットの特性を反映した独自の医療技術分類と評価基準を整備すべきだ。

初期には限定的な範囲でも革新的医療技術の時限的な実証・補償制度を導入できる。医療機関が費用負担なく技術を試用し、臨床エビデンスを蓄積できなければならない。その後、実際の使用データに基づき、歩行機能の改善、転倒リスクの低減、ケア負担の緩和といった成果中心の評価を行い、段階的に保険適用を拡大する構造が必要だ。」

- ASEAN市場に先に進出した理由は何か。

「ASEANは医療分野が急速に進化しており、韓国と似ていながらも異なる特性を持つ市場だ。Angel Roboticsはタイ・ベトナム・マレーシアを主要市場と見ている。

重要なのはデータだ。これまでは韓国人のデータが中心だった。パーソナライズされたウェアラブルロボットに進むには、多様な人種・性別・年齢帯の動作データが必要だ。アジア市場で先に経験とデータを蓄積すれば、その後に欧州と米国市場を狙う際にも、より精緻な製品戦略を立てられる。」

- 最近の世界情勢不安に伴うサプライチェーン問題が浮上している。

「ロボット産業全般が同様の問題に直面している。アクチュエータ・磁石などの中核部品の価格が上がっており、サプライチェーンの変化も負担だ。医療用製品は原価が上がったからといって販売価格をすぐ大きく引き上げるのは難しい。医療機関と患者の受容性、制度的な価格構造があるためだ。だからこそ、中核部品をどこまで内製化し、サプライチェーンをどれだけ安定的に運営できるかが重要だ。ウェアラブルロボットはアクチュエータとコントローラが特に重要だ。部品を買ってきて組み立てるだけでは、人の体に装着するロボットを作るのは難しい。」

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