「米フォード自動車は人工知能(AI)基盤のシミュレーションを活用し、従来40時間かかっていたデザイン・エンジニアリング作業を4時間に短縮した。究極的にはAIを活用し、同じ作業を4分、さらには4秒で完了させることが可能になる」
ミシェル・アッシュ ダッソー・システムズSIMULIA最高経営責任者(CEO)は11日、ソウル江南区のウェスティンソウルパルナスで開かれた「ダッソー・システムズSIMULIAユーザーデイ2026」で、AI基盤のシミュレーション技術の発展が製造の革新を主導すると述べた。アッシュCEOは「過去には1つの設計を検証するのに多くの時間を投じていたが、今は同じ時間内に10件の設計案を同時に検討・比較できる」とし、「これにより企業はより優れた品質の製品をより速く開発できるようになった」と語った。
この日ダッソー・システムズは、自社の3Dエクスペリエンス・プラットフォーム基盤のモデリング・シミュレーションソリューションであるモドシム(MODSIM)の発展方向を紹介した。モドシムは製品設計とシミュレーションを1つの環境で同時に実行できるよう支援する。ダッソー・システムズの設計ソフトウエア「CATIA」が製品を設計すると、シミュレーションソフトウエア「SIMULIA」はその製品が実環境でどのように作動するかを即時に検証する。これにより製品開発時間を最大90%まで短縮し、コストも8%以上削減できるというのがダッソー・システムズの説明だ。
アッシュCEOは「製品を設計するのと同時にシミュレーションが行われるため、開発初期からより多くのアイデアを試し、多様な選択肢を検討でき、結果として製品をより速く開発できる」とし、「一例としてフォードはモドシムを導入し、従来40時間かかっていた作業を4時間に短縮することに成功した」と説明した。
さらにAIをモドシムに結合すれば製品開発の方式を根本的に変えられると展望した。アッシュCEOは「ダッソー・システムズはAIに大規模投資を行っており、モドシム・プラットフォームとシミュレーションソルバー(解析エンジン)全般にAIワールドモデルを統合している」とし、「AI基盤のシミュレーションはエンジニアの意思決定をより速く支援し、生産性を画期的に高める」と述べた。
あわせてAI時代に合わせ、ダッソー・システムズSIMULIAの性能を継続的に改善していると強調した。アッシュCEOは「中核シミュレーションソルバーがエヌビディアのグラフィックス処理装置(GPU)環境に最適化された形で高度化し、その結果シミュレーション速度が従来比で3〜15倍まで速くなった」と述べた。さらにエヌビディアとも緊密に協力し、シミュレーション性能を向上させつつコストを下げることに注力していると付け加えた。
ダッソー・システムズはAI時代を迎え、シミュレーションの役割が一段と重要になるとみている。イ・ジュサン ダッソー・システムズ・コリア本部長は「過去にはシミュレーションは主に製品開発後半での検証ツールとして活用されたが、現在は製品企画と設計の初期段階で事前に製品性能を予測しリスクを最小化するなど、企業競争力を左右する核心的な能力として台頭した」と述べた。
続けて「AI時代においてシミュレーションは単純な解析・検証を越え、エンジニアが反復的な作業から離れ、重要な設計と検証業務に集中できるよう支援する」と付け加えた。
ダッソー・システムズは今年から来年まで、SIMULIAの追加機能を順次公開する予定だ。AI・機械学習機能と設計検証ツールは7月から披露する。
フランスに本社を置くダッソー・システムズは、3D CAD(コンピューター支援設計)とAI基盤のバーチャルツイン(virtual twin)技術を先導しているソフトウエア企業である。バーチャルツインは、現実の工場と製造工程を仮想空間にそのまま複製して実装した技術だ。仮想空間に現実の物体の「双子」を作りシミュレーションを行い、これを基に結果を事前に予測して製品・サービスの最適化に用いる。