LG CNSは大規模ITシステムの構築・運用を行うエージェンティック人工知能(AI)基盤の開発プラットフォーム「デブオン・エージェンティックAIND(以下、AIND)」を発売したと8日明らかにした。
最近、自然言語で指示するとコードを生成する「バイブコーディング」が注目を集めているが、大規模ITシステム構築に活用するには限界があるとの評価だ。コード生成により機能が限定されるうえ、企業のシステム構造や文脈の理解なしにコードを作成して既存システムと衝突したり、一部機能の修正が全体コードに影響を及ぼすためである。とりわけ金融・公共・製造などの環境では、セキュリティ規定や開発標準などを反映できず、適用が難しかった。
LG CNSはこうした課題を解決するため、米国のグローバルオープンソースAIコーディング企業クラインと組み、AINDを開発した。AINDは、ユーザーが自然言語で要件を入力すると、顧客要求事項分析・設計エージェント、コーディングエージェント、テスト・品質検証エージェントなど各領域に特化したAIエージェントが協業し、開発の全過程を分担して遂行する。
一例として金融会社が既存のコアバンキングシステムに新規金融サービスを追加したい場合、ユーザーが「口座システムと連携した預金・積立金の自動引き落としサービスを構築してほしい」と入力すれば、分析・設計エージェントが顧客要求事項文書を分析し、システム構造を設計する。設計案を引き継いだコーディングエージェントは、金融会社の開発標準に合わせてコードを生成する。LG CNS関係者は「ユーザーは結果の検討・承認の役割に集中し、開発所要時間を短縮できる」と説明した。
AINDの競争力は、システム開発に必要なIT情報を統合・分析する「知識ファウンデーション)」である。知識ファウンデーションは、開発標準、セキュリティ規定、システムのソースコード、開発成果物など企業のIT情報をAIが理解できるよう構造化したオントロジーデータベースだ。AINDはこれを基盤に企業のシステム・業務を学習し、顧客に最適化した開発を主導する。
LG CNSはAINDに「スペック主導開発」の方式を適用した。AIが事前に定義された基準に従って設計・コーディング・検証を実行し、ハルシネーション(AIの幻覚現象)とエラーを最小化できる。さらに、開発言語に関係なくシステムを最新の技術環境に最適化した構造へ転換する「レガシーモダナイゼーション」を支援し、従来は数週間以上かかったコードの分析・変換・検証作業を分単位まで短縮したと会社側は説明した。
アン・ヒョンジョンLG CNSアプリケーションアーキテクチャ担当常務は「企業システムを理解する専門家水準のAIエージェントを基盤に大規模ITシステムの構築・運用を自動化し、企業顧客の生産性革新に寄与する」と述べた。
LG CNSとクラインは、米国、日本、東南アジア地域を中心に、金融・公共・製造・防衛産業などセキュリティと規制が重要なグローバル企業のITシステム構築・運用事業へのAIND適用を拡大していく計画だ。