SKテレコムがエヌビディアと組み、人工知能(AI)インフラ市場の攻略に乗り出す。移動通信の加入者と料金プラン中心の成長公式が鈍化するなか、通信網とデータセンター運用の強みをAI演算インフラへ転換し、新たな収益源を創出する構想だ.
今回の協力は、SKグループとエヌビディアの関係が半導体供給を越えてAIインフラ全般へ広がる契機でもある。これまで両社の協力はSKハイニックスの高帯域幅メモリー(HBM)などメモリー分野に集中していたが、今後はSKテレコムのデータセンター構築・運用能力とエヌビディアのGPU(グラフィックス処理装置)・ソフトウェアプラットフォームを束ね、AIファクトリーの設計と運用まで共同で推進する体制となる.
◇ 通信網、AI演算インフラとして再定義
8日、SKテレコムはエヌビディアのDSXプラットフォームを基盤に、チップからデータセンター運用まで包含する「フルスタックAIクラウド」の協力を推進すると明らかにした。両社はAI作業に特化したデータセンターである「AIファクトリー」をギガワット(GW)級の規模へ拡張する計画だ。最初のAIファクトリーは2027年に韓国で稼働する予定である.
AIファクトリーは既存のデータセンターとは性格が異なる。一般的なデータセンターがサーバーとストレージを基盤に汎用クラウドサービスを提供してきたのに対し、AIファクトリーは大規模AIモデルの学習と推論を処理する専用の生産設備に近い。電力とデータを投入し、生成AIサービスの基本単位であるトークンを生産する構造だ.
SKテレコムが今回の協力で「最小トークンコスト」と「ワット当たり最高性能」を強調したのもこのためだ。AIクラウドの競争力はGPUの台数だけでは決まらない。半導体、メモリー、ネットワーク、冷却、データセンター運用、ソフトウェアを一括で最適化しなければならない。AIの利用量が増えるほど、企業は同じコストでより多くのトークンを処理できるインフラを探すようになる.
崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長とジェンスン・フアン エヌビディア最高経営責任者(CEO)が1日、台湾で会いAIインフラのロードマップを議論したのもこの流れと合致する。両社は次世代AIファクトリーのアーキテクチャを共同研究するための協議体を構成する計画だ。設計段階からGPUとメモリーの性能を同時に引き上げるコンピューティング構造を研究するということだ.
◇ 電力・顧客の確保が事業化のカギ
SKテレコムにとって、今回の協力は「脱通信」戦略の試金石になり得る。通信会社は全国規模のネットワーク運用経験とデータセンター運用能力を備える。AIクラウドは、通信会社が保有する網と運用能力を新事業へ転換できる領域だ。通信網が単なる接続網を越え、AIサービスを稼働させる基盤インフラとして再定義される格好である.
ただし事業化のハードルは高い。GW級のAIファクトリーは莫大な電力を安定的に調達しなければならず、高価なGPUを高稼働率で運用してこそ収益性が出るためだ。IT業界の関係者は「グローバルビッグテックと大企業のAI学習・推論需要をどれだけ確保するか、そして電力・冷却コストをどれだけ下げるかが、SKテレコムのAIインフラの勝負を分ける核心変数になる」と述べた.
ジェンスン・フアン エヌビディア最高経営責任者(CEO)は「通信ネットワークは国家AIインフラへ進化している」とし、「SKテレコムはエヌビディアDSXプラットフォームを通じ、大規模AIクラウドを構築し、企業と産業界にエージェントAI、エンタープライズAI、フィジカルAIを提供できるようになる」と語った.