「完全に別の会社になった。」
ペ・テウォンインテルコリア社長は2025年3月のリップ・ブー・タン(Lip-Bu Tan)最高経営責任者(CEO)就任以降のインテルをこう表現した。先月28日、ソウル・ヨイドのインテルコリア本社で会ったペ社長は、組織構造と人員、事業の方向性のすべてが大幅に変わったと強調しながら「エージェンティックAI、フィジカルAI、ハイブリッドAIの時代に中央処理装置(CPU)がどのような役割を果たすべきかが、今のインテルにとって最大の課題だ」と述べた。
ペ社長は人工知能(AI)インフラにおいてCPUの重要性が高まったのは十分に予想された流れだと説明した。ペ社長は「生成AIのボトルネックがグラフィックス処理装置(GPU)で出始め、その次はメモリー、さらにその次はAIエージェンティック時代に合わせたCPUのオーケストレーション役割へと続くのは当然の手順だった」と語った。
AIがクラウドからエッジ、さらにはロボティクスへと拡散するほどCPUの役割は一段と大きくなっている。ペ社長は、ヒューマノイドロボットの場合、電力消費とコストの問題で外付けGPUの搭載が事実上不可能なため、内蔵GPUとニューラルプロセッシングユニット(NPU)をCPUが調整する構造が要となると説明した。実際、インテルは最新プロセスに基づくパンテールレイク製品を搭載したノートPCがローカル大規模言語モデル(LLM)の駆動とロボティクスのリファレンスボードとして活用され始めており、インテルXeon 6のAIエンジン(AMX)を活用すればGPUなしでも軽量LLMの推論が可能だ。
生成AIの運用過程で発生する莫大なコスト問題の代案とされるハイブリッドAIもまたインテルが主導している。ペ社長は「生成AIサービスを活用する企業や消費者は有料サービスを使いながら『トークンが溶ける』という言葉が出るほどコスト負担に苦しみ始めている」とし、「一般的なワークロードはローカルLLMで処理し、重い作業はオンラインサービスを活用する形でバランスを取ろうとする需要が生まれているが、インテルがコンピュテックス2026で紹介する『スーパークロウ』が代案になり得る」と説明した。
このようなハイブリッドAI時代のもう一つの核心課題はセキュリティである。ペ社長は「AIが日常化するほど個人情報と企業機密データの露出リスクも同時に大きくなる」と述べ、インテルの機密コンピューティング技術であるTDX(Trust Domain Extensions)を紹介した。TDXはソフトウェアの仮想マシンレベルではなくCPUハードウェア層でデータを直接管理する技術で、現在は韓国内の通信会社など複数企業とPoC(概念実証)を進行中である。ペ社長は「AIインフラを今きちんと設計しなければ、後でフレームを変えるにはあまりに遅すぎる可能性がある」と強調した。
インテルの組織変化についてもペ社長は言及した。リップ・ブー・タンCEOの就任以降、意思決定段階を5段階に圧縮し、役員数を大幅に減らし、顧客中心の文化への転換を強力にドライブしている。以下、ペ社長との一問一答。
―リップ・ブー・タンCEO就任以降、インテルが大きく変わったと言われるが、どのような変化を感じているか。
「完全に別の会社という印象だ。組織的にも人的にも大きく変わり、その変化を肯定的に評価している。核心は(会社の方向性が)従来のPC・サーバー中心のCPUから離れ、エージェントAI・フィジカルAI・ハイブリッドAIの時代にCPUがどのような役割を果たすかへと移行したという点だ。組織面でも意思決定段階を5段階に圧縮し、役員数も大幅に減らした。過去のインテルが顧客企業や協力会社に指針を与える立場だったとすれば、今はより積極的に顧客企業と協力会社の声を聴く会社になったというフィードバックも出ている。」
―最近のインテル株急騰の最大の原動力とされるAIエージェントの恩恵は、予想していた好材料か、それともサプライズだったのか。
「予想は当然していた。生成AIのボトルネックがGPUで出始め、その次はメモリー、さらにその次はCPUのオーケストレーション役割へと続くのは当然の手順だった。インテルは2年前のAIサミットでSKハイニックスをプレミアムパートナーとして掲げ、高帯域幅メモリー(HBM)とCPUの連係性を強調した際、社内の社員でさえ『SKハイニックスのメモリーと我々にどんな関連がありますか』という質問が出たりもした。今は当然ながら関係性を認識している。ハイブリッドAIとフィジカルAIの市場は実のところ、まだ本格的に開いてもいない。」
―GPU、NPU、CPUの役割の違いを平易に説明すると。
「結局は演算に関する話だ。GPUは単純な計算を多数のコアで処理することに特化している。短所は電力消費が大きいことだ。NPUは特定の演算を電力効率的に処理する専用チップだ。CPUはこれらすべてのリソースを総合的に見て、どこがボトルネックか、どの部分を自分が処理するかを判断し調整する役割を担う。GPUがなくても、NPUがなくてもシステムは動くが、CPUなしには何も動かない。だから推論市場が拡大するほど、データセンターでGPU8台当たりCPU1台だった比率が最大で1対1にまで狭まっているのだ。」
―AIエージェンティック時代のCPUとGPUの役割分担はどうなるか。
「AIの発展段階を見ると、伝統的AI→生成AI→エージェンティックAIの順で進化してきた。伝統的AIはCPUでも処理が可能で、生成AI時代には大規模モデルの学習のためにGPUの役割が大きくなった。そして今、エージェンティックAIへと移行しながらCPUの役割が再び大きくなっている。エージェンティックAIはAIが人間の命令なしに自ら判断し行動する自律型AIであり、この段階ではGPUとCPUの役割分担が不可欠だ。GPUは大規模並列演算と推論作業を担い、CPUは多数のエージェントの行動を管理するオーケストレーションを担当する。タスクスケジューリング、メモリー管理、API呼び出しはすべてCPUの役割だ。」
「実際、多くの企業のAI推論作業はGPUなしでCPUだけでも十分に処理可能だ。インテルXeon 6は内蔵AIアクセラレーターであるAMXのおかげで、エヌビディアL4のようなエントリー級GPUと肩を並べる性能を出す。MLPerfテストではデュアルソケットのXeon 6が映像認識でL4比2倍超、音声認識では4倍超のスループットを記録したこともある。結局、エージェンティックAI環境では単一アクセラレーターのスペックよりも、CPUとGPU資源のバランスの取れた活用がシステム性能を決定する。」
―GPUベースの生成AIモデルを回す上でのコスト問題も次第に大きくなっている。
「その通りだ。これに合わせてインテルはハードウェアだけでなくソフトウェアも同時に変化を加えている。今回のコンピュテックスで紹介した『スーパー・クロウ』がその代表例だ。ChatGPTやGemini、Claudeのようなクラウド型有料サービスを使ってみると、『トークンが溶ける』という言葉のようにコスト負担が大きい。そこで一般的なワークロードはローカルLLMで処理し、重い作業はオンラインサービスを活用する形でバランシングする需要が生まれており、インテルがそうしたソフトウェアソリューションも併せて提供するわけだ。」
―AI PCが期待ほどの爆発力を出せていないが、消費者がエージェンティックAIを日常で初めて体感する接点はどこになるか。
「エージェンティックAIを最初に日常で出会う接点はスマートフォンとPCになると見る。通勤途中にスマートフォンが『今日は微小粒子状物質(PM)の数値が悪いです。マスクを持っていきましょう』『今出発すれば10分早く到着します。経路案内を始めますか?』のように、利用者が尋ねる前に先に知らせるシナリオが現実化する。PCでもメールの返信作成、文書整理、スケジュール管理などを、利用者が指示する前に自動で準備してくれる形でエージェンティック機能がOSレベルで統合されると見る。現在のAI PCの概念はまだ初期段階だが、PCとスマートフォン内のエージェントが徐々に利用者の業務と生活パターンを学習し、主体的に支援し始めることで、AIが人間のそばで共に働き考える新たなパラダイムへとつながると期待している。」
―セキュリティの問題はどう解決できるか。
「AIが日常化するほど個人情報と企業機密データの露出リスクも同時に大きくなる。インテルはTDX(Trust Domain Extensions)という機密コンピューティング技術を持っており、ソフトウェアの仮想マシンレベルではなくCPUハードウェア層で直接データを管理する技術だ。現在、韓国内の通信会社など複数企業とPoCを進行中である。AIインフラを今きちんと設計しなければ、後でフレームを変えるにはあまりに遅すぎる可能性がある。CPU、製造能力、エコシステム、セキュリティまで全体のラインアップを備えた企業は実のところ多くないからだ。」