AIの活用が大規模言語モデル(LLM)の訓練から推論(インファレンス)応用へと重心を移すなか、メモリーの急騰が持続的に続いている。台湾の市場調査会社トレンドフォースは、このような需要再編により2026年2四半期のDRAM契約価格が前四半期比58〜63%急騰すると予測した。
2日、トレンドフォースによると、クラウドサービス企業(CSP)のデータセンター構築方針がAI専用サーバー中心から汎用サーバーへと移行し、メモリー需要のスペクトラムが大きく広がっている。従来はHBM3E(第5世代)・LPDDR5X・大容量RDIMMに集中していた需要が、いまや多様な容量帯のRDIMM製品群へと均等に拡散する趨勢だ。
供給面では余裕がない。2四半期のDRAMサプライヤーの在庫水準がすでにきわめて低いなか、生産ラインはAIサーバー向け大容量RDIMMの供給に優先的に集中している。このため、PC OEM企業やスマートフォンメーカーなど一般顧客の需要を適時に満たすのは難しくなるとトレンドフォースは見通した。
価格急騰のもう一つの背景にはCSPの態度変化がある。供給安定性を最優先する大手CSPが値上げに比較的柔軟な立場をとり、中小顧客も供給量の確保のために引き上げられた価格を受け入れる流れに傾いているとの分析だ。
サムスン電子・SKハイニックス・マイクロンなど上位3社が先端プロセス技術の確保にリソースを集中するなか、成熟プロセス市場に空白が生じている。台湾のナンヤ・テクノロジー、ウィンボンド、PSMCなどは、このニッチを成熟プロセス製品で埋め、プレゼンスを拡大している。
今回の価格見通しは、単なる需給不均衡を超え、AIインフラへの転換がメモリーのエコシステム全体を再編していることを示す。トレンドフォースは「推論ワークロードの拡大が汎用サーバー需要を押し上げ、これが再びDRAM全製品群の価格上昇圧力へとつながる連鎖構造が鮮明になっている」と説明した。