生成AI(Generative AI)の拡散はグローバル半導体スーパーサイクルを再定義している。「短く強い反騰」の連続だったサイクルは、いま「大きく深い上昇局面」へと転換した。人工知能(AI)の普遍化により演算と推論を支えるチップとメモリー半導体(以下メモリー)需要が指数関数的に増加しているためだ。過去の半導体サイクルが需要・供給の不一致から派生した不確実性の産物だったとすれば、現在のサイクルは「生成AIの台頭」という産業再編の結果である。AI推論を牽引するメモリーの生産能力を上回るデータセンターの増設が価格高騰を誘発するチップ不足現象を深刻化させている。
グローバルメモリー1位のサムスン電子(以下サムスン)と半導体ファウンドリー(受託生産)1位のTSMC、米国マイクロン、中国の長鑫存儲(CXMT)、台湾ナンヤ・テクノロジーなど半導体企業の2026年1~3月期の過去最高業績は、AI主導の産業転換が本格化していることを示している。実体経済のAX(AI転換)が進むほど、半導体産業は景気依存的サイクルを克服し、構造的に利益を蓄積する産業へと転換している。
「価格で57兆」vs「構造で66%マージン」
サムスンの2026年1~3月期の売上高133兆ウォン、営業利益57兆2000億ウォンは韓国企業の歴史上前例のない業績である。43%に達する営業利益率はアップル、エヌビディアなどグローバルビッグテック(大型IT企業)に比肩する水準だ。生成AIの拡散でGPU(グラフィックス処理装置)とHBM(高帯域幅メモリー)需要が急増し、メモリー事業だけで営業利益の約90%に当たる54兆ウォンが創出された。AI半導体需要の増加でDRAM生産をHBMに振り向けるなか、汎用DRAMの供給が急減し、これによる品薄が莫大な超過利潤につながった。実際、2025年1月に1.35ドルだったDRAMの固定取引価格は3月末に13ドルとなり、1年で10倍以上上昇し、サーバー向け最新DRAMである「DDR5 16Gb」の価格も半年の間に6倍以上上がった。価格急騰でサムスンのメモリー事業の営業利益率は70%超に跳ね上がった。一方、設計・カスタム生産技術が集約されたシステムLSIとファウンドリー部門は赤字が続くなど収益性の確保に苦戦している。
グローバルファウンドリー市場シェア70%のTSMCの純利益は前年比58%増の5724億台湾ドル(約24兆ウォン)に達し、売上総利益率は66.2%を記録した。製造企業がソフトウエア企業に近い利益構造を実現した格好だ。サムスンと異なりTSMCはHPC(高性能コンピューティング)、IoT(モノのインターネット)、民生用エレクトロニクスなどでも前四半期比10~30%成長した。とりわけHPC部門はAIサーバーとGPU需要を吸収し、成長の中核軸として定着した。何より3nm(ナノ=10億分の1m、売上比率25%)、5nm(36%)、7nm(13%)など先端微細工程で売上の74%を上げたことが象徴的である。TSMCは毎年売上の約8%を研究開発(R&D)に再投資し、技術の参入障壁を築いている。
半導体サイクル、技術から資本投資の周期へ
サムスンの利益がメモリーのボトルネックに起因する価格上昇による超過利潤の性格が強い一方、TSMCの利益は先端微細工程とパッケージングを結合した構造的競争力の産物である。サムスンが「価格地代(price rent)」を享受しているとすれば、TSMCは設計・生産・パッケージングをつなぐプラットフォームを通じて利益を創出する構造を構築した。
市場は今回の半導体スーパーサイクルが最短で2027年までは続くとみている。メモリー新製品の開発周期により2年単位で反復した従来の「ブーム・アンド・バスト(Boom-Bust)」と異なり、いまはビッグテックのAIインフラ投資に連動して半導体景気サイクルが構造的に長期化しているためだ。今年はアルファベット(グーグル)、アマゾン、Meta(メタ)、マイクロソフト(MS)など主要ビッグテックのAI投資が前年比69%増の7000億ドル(約1036兆ウォン)に達する見通しだ。これに伴い、4~6月期のDRAM価格も前期比60%前後上昇すると観測される。供給のボトルネックはサムスンとSKハイニックスの増設が本格化する2027年前後になってようやく緩和する見通しだ。
TSMC、将来需要を先取り vs サムスン、ボーナスを巡る争い
歴代級の好況のなか、対応は割れている。TSMCは今年の設備投資規模を最大560億ドル(約82兆9000億ウォン)と示した。直近3年間の累積設備投資額(1000億ドル)の半分以上を投下し、将来需要の先取り戦略を展開する。最先端3nm工程を米アリゾナ州と日本の熊本へ拡張し、CoWoS(Chip on Wafer on Substrate)に続くCoPoS(Chip-on-Panel-on-Substrate)など次世代パッケージング投資を拡大するのも、設計・製造・パッケージングを包含するプラットフォーム支配力を強化するための戦略である。
一方サムスンは内部対立によりグローバルAI覇権競争への対応余力が制約される恐れが出ている。サムスングループ超企業労働組合(労組)は2026年の営業利益の15%(約45兆ウォン)を成果給として支給せよとしてストライキを予告した。メモリー好況で確保した利益を構造的競争力へ転換すべき局面で「ボーナス争い」によりエネルギーが分散するリスクがある。ブルームバーグ、ロイターなど主要海外メディアは競合に機会が開かれる可能性があると評価した。カスタムメモリーへの市場再編と中国メモリー企業の追撃に同時に直面する状況で、構造転換に対応できる時間は急速に縮んでいる。AIは半導体を「サイクル産業」から「構造産業」へと変えている。