「(2026年1〜3月期の世界スマートフォン市場)出荷台数が実際の消費者需要に基づく予想値よりも水増しされている。」
市場調査会社ごとにスマートフォン市場の集計数値はやや異なるが、最近のように把握が難しいのは異例だという反応である。市場調査会社IDCは15日(現地時間)に2026年1〜3月期の市場調査結果を公表し、現実的な難しさを明らかにした。
実際に市場調査会社が発表した2026年1〜3月期のスマートフォン出荷台数を見ると、IDCは前年同期比4.1%減、カウンターポイント・リサーチは前年同期比6%減と集計した。一方でオムディアは10日、2026年1〜3月期の世界スマートフォン市場の出荷台数が2025年1〜3月期より1%増えたと発表した。
ただしオムディアも「(2026年1〜3月期の世界スマートフォン出荷台数が前年同期比で)成長したのは、供給面のコスト上昇の影響を完全には反映できていないためであり、流通チャネルでサプライヤーが在庫を先行購入して出荷台数を一時的に下支えしたことによる」と述べた。
通常、市場調査会社がスマートフォン市場を集計する際は出荷台数と販売台数という2つの基準を用いる。出荷台数は製造業者が販売業者にスマートフォンを納品した量を意味し、販売台数は実際の消費者に販売された量を指す。代理店など一般小売段階で消費者に売れた台数を正確に把握するのは難しいため、業界では正確な集計が可能な出荷台数を市場調査の指標として用いる場合が多い。
市場調査会社が同一期間を分析しながら異なる市場状況を発表したのは、メモリー半導体の急騰と無関係ではない。想定される部品価格の上昇に先立って出荷を前倒しした受託生産(OEM)企業の物量をどう処理するかによって結果が分かれたということだ。こうした出荷分を1〜3月期に含めるかどうかで数値が変わった。言い換えれば、メモリー価格の高騰に伴うメーカー各社の在庫確保戦略が重なり、市場の変動幅が大きかったという話である。市場調査会社カウンターポイント・リサーチによると、2026年1〜3月期のモバイル向けDRAMとNANDフラッシュ価格は直前四半期比でそれぞれ50%、90%以上上昇した。
状況がこのようであるため、市場調査会社が発表した2026年1〜3月期のスマートフォン市場の首位も異なる。IDCとオムディアは2026年1〜3月期の首位企業がサムスン電子だとしたが、カウンターポイント・リサーチは首位企業としてアップルを挙げた。
IDCは、サムスン電子が2026年1〜3月期の世界スマートフォン市場でシェア21.7%(出荷台数ベース)を獲得し業界1位となったと発表した。オムディアもサムスンが1〜3月期のシェア22%で1位を記録したとした。一方、カウンターポイント・リサーチの結果は異なる。カウンターポイント・リサーチは、アップルが2026年1〜3月期のシェア21%(出荷台数ベース)で1位を記録したとした。
具体的に見ると、サムスン電子の1〜3月期スマートフォン出荷台数はIDC集計では前年同期比3.6%増、カウンターポイント・リサーチ集計では6%減となった。同期間のアップルのスマートフォン出荷台数はIDC集計では3.3%、カウンターポイント・リサーチ集計では5%増だった。
それでも2026年のスマートフォン市場が容易ではないという点では市場調査会社の見解は一致する。特にプレミアムスマートフォン製品を重点的に販売するアップルとサムスンが市場で善戦した一方で、中国企業はすでに1〜3月期から厳しい時間を過ごしているという結果も同じである。
IDCとカウンターポイントは、2026年1〜3月期のシャオミのスマートフォン出荷台数が前年同期比19%減少したと予想したが、これは上位5社の中で最大の減少幅である。シャオミは価格に敏感な普及型スマートフォン市場に大きく依存しており、メモリー価格上昇に非常に脆弱な構造を持つ。IDCは、2026年1〜3月期のオッポの出荷台数が前年同期比で1割近く、ビボは7%近く減少したと予測した。カウンターポイント・リサーチは同期間のオッポの出荷台数の減少幅を4%、ビボの減少幅を2%と集計した。
シルピー・ジャイン カウンターポイント上級研究員は「メモリー企業が民生用家電よりAIデータセンターを優先し、OEM企業のマージンが縮小し、その結果として増加した部材の製造原価(BOM)コストを消費者に転嫁せざるを得なかった」と述べ、「供給不足が続くなか、エネルギー価格の上昇、物流費の増加、中東地域の緊張による経済不確実性で新製品の購入マインドが萎縮し、出荷台数の減少が続いた」と語った。
アンソニー・スカセラ IDC主任研究員は「1〜3月期の世界スマートフォン出荷台数が前年同期比4%減少したのは、メモリー価格の急騰によって今後起きる現象の一部に過ぎない」とし、「特に200ドル未満の機器に集中する新興市場はメモリー部品価格の上昇で消費者に提供される選択肢が極めて限定的となり、これは過去5年間のパンデミックよりも大きな困難になる」と述べた。