ダリオ・アモデイAnthropic最高経営責任者(CEO)。/聯合ニュース
「ミトスはサイバーセキュリティの版図を変えるだろう。」

人工知能(AI)企業のAnthropicが最先端AIモデル「ミトス(Mythos)」を一部企業にのみ限定公開した。Anthropicはミトスについて「これまで開発したAIモデルの中で最も強力だ」と評価した。とりわけソフトウエアのセキュリティ脆弱性を検出する能力に優れ、ハッキングなどに悪用され得るため一般公開はできないというのがAnthropicの立場である。

これまでAIモデル「クロード」をはじめとする多様なAIエージェント型コーディングツールを大衆に披露してきたAnthropicが異例の閉鎖的戦略を選ぶと、市場ではさまざまな解釈が出ている。Anthropicの主張どおりミトスがサイバーセキュリティ産業の版図を変える「分水嶺(watershed moment)」になるとの見方から、今年の新規株式公開(IPO)を前に企業価値を高めるための戦略だとする分析まで、意見は割れている。

Anthropicは最高級AIモデル「クロード・ミトス・プレビュー」を12のビッグテック企業と厳選した40余りの機関に試験的に供給する「プロジェクト・グラスウィング」を立ち上げたと7日(現地時間)に発表した。グーグル、アップル、アマゾン、ブロードコム、シスコ、マイクロソフト、エヌビディア、JPモルガン・チェース、パロアルトネットワークスなど「プロジェクト・グラスウィング」参加企業は、ミトスを自社ソフトウエアのセキュリティ脆弱性の識別とサイバー攻撃の阻止に活用する予定だ。Anthropicはその結果を産業全般に共有するとした。

ミトスはAnthropicの最上位モデル「クロード・オーパス」の性能を上回る汎用モデルで、ソフトウエアの欠陥(バグ)検出が強みとされる。Anthropicは「ミトスがセキュリティ脆弱性を見つけ出し悪用する能力は、既に最高水準の専門家を除く大多数の人々を凌駕するレベルに到達した」として、ハッカーや犯罪組織がミトスを悪用できないようアクセスを一部企業に限定することにしたと説明した。

AI時代には攻撃者と防御者が同一のAIツールを活用して矛と盾の戦いを繰り広げるが、防御者が優位に立てるようビッグテックおよびサイバーセキュリティ企業に先にミトスを提供するということだ。今もハッカーはAIを兵器化してサイバー攻撃を自動化し、攻撃回数を前例のない水準にまで増やしている。過去には数カ月かかったハッキング時間は、最近では数分から数秒にまで短縮された。AnthropicはAIの発展速度にサイバーセキュリティのインフラが追いついていないため、プロジェクト・グラスウィングのような取り組みを通じて主要企業が防御戦略を整える時間を与えるべきだと主張した。

Anthropicによると、ミトスは高度な推論能力を活用し、直近数週間で数千件の脆弱性を見つけ出した。OpenBSDオペレーティングシステムで27年間発見されなかったバグを発見した事例が代表的だ。広く使われる映像ソフトウエアで16年間潜んでいた脆弱性も見つけたが、これはこれまで自動化タスクツールで500万回以上の検査を実行しても見逃していた欠陥だった。

セキュリティ業界の関係者は、ミトスの差別化要因は脆弱性の検出そのものではなく、脆弱性を連結する能力だと評価した。Anthropicが公開した資料によれば、ミトスは単にバグを見つけるにとどまらず、4つの脆弱性を結び付けて複雑なシステムに侵入可能な強力な攻撃コード(エクスプロイト)を自律的に生成した。従来は高度なハッキング技術と専門人材を必要とした作業を、非専門家でもAIで容易に実行できるようになった格好だ。

Anthropicは、既存の最上位モデル「オーパス4.6」は脆弱性の識別と修正能力には優れるが、悪用する能力は不足していると明らかにした。社内実験の結果、オーパス4.6は数百回の自律的なエクスプロイト開発試行のうち成功はわずか2件で、ほぼ0%に近い成功率を示した。だがミトスは同一の評価で181個のエクスプロイトを生成し、このうち29件はシステム制御権限を確保できるほど強力だった。

ミトスのようなAIモデルが既存のサイバーセキュリティ製品を代替するとの懸念が広がり、主要セキュリティ企業の株価も先週一斉に軟調となった。9日(現地時間)の米国株式市場でフォーティネットは3.4%下落し、ジースケーラーは11%急落した。プロジェクト・グラスウィング参加企業のパロアルトネットワークスとクラウドストライクもそれぞれ3.9%、7.5%下げた。

ただし一部の専門家は、Anthropicが公開した情報は限定的である以上、「性能があまりに優れており一般公開は危険だ」という会社の主張を額面どおり受け止めるべきではないとしている。米国ニューヨーク大学「AIナウ・インスティテュート」の主任AI科学者であるハイディ・クラフはソーシャルメディアのX(エックス)で「Anthropicが公開した資料には誤検知率などの核心的な検証情報が十分に提供されていない」とし、「追加情報なしにAnthropicの主張だけを信じるべきではない」と警告した。

一部では、企業顧客向けに事業を展開するAnthropicが大企業との契約を強化する一方で、競合他社が「蒸留(distillation)」手法を活用して短期間で類似モデルを作り出すのを防ぐため、閉鎖的な戦略を選んだとみている。

蒸留手法とは、他のAIモデルが出した回答を学習データとして活用し、類似の性能を備えたモデルを作る方式である。Anthropicはこれまで、中国のAI企業が蒸留手法で自社AIモデルの成果物を無断抽出してきたとして、競合の蒸留試行を遮断すべきだという立場を示してきた。

AI業界のある関係者は「最上位モデルを企業契約でのみアクセス可能にし、競合や規模の小さい研究所との格差を広げようとする試みだ」と述べ、「ミトスが一般公開される頃には、既にさらに進化した上位モデルを企業専用として投入するだろう」と語った。

Anthropicは企業向けAI市場を攻略して急成長した。直近の年間経常収益(ARR)は300億ドル(約44兆4000億ウォン)を上回り、昨年末の90億ドルと比べ約3倍に増加した。売上全体の約80%を企業顧客が占めることから、今後も安定的な収益源を維持するため企業向け事業を強化するとの観測が出る理由である。

ミトスのような最上位モデルを一般に公開するにはAnthropicの演算能力が不足しているとの見方もある。オープンAIは最近、投資家向けメモで「オープンAIは演算キャパシティ確保の面でAnthropicより優位にある」とし、最近Anthropicがミトスを一般公開できず一部の大企業にのみアクセス権を付与した理由は演算資源の不足によるものだと指摘した。

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