SKテレコムが英国領ケイマン諸島に人工知能(AI)投資の専担法人を設立した。生成AIスタートアップのAnthropic投資で大規模な評価益を得たのに続き、海外にAI投資拠点を設けグローバルAI投資拡大に乗り出した格好だ.
23日、業界によるとSKテレコムは昨年9月にケイマン諸島にAI投資専担法人「フォレストAIインベストメント(Forest AI Investment)」を設立した。同法人は2011年設立のSKテレコムの投資子会社アトラス・インベストメント(Atlas Investment)の子会社形態で立ち上げたものだ。初期資本金は200億ウォン台とされる.
SKテレコムがAI専担の投資法人を別途設けたのは今回が初めてである。SKテレコムが2024年9月に米国で設立した「アストラAIインフラLLC(Astra AI Infra LLC)」とは性格が異なる。アストラAIインフラは、企業向けAIソリューション構築企業ペンギン・ソリューションズ(Penguin Solutions)への戦略的投資のために設けた特別目的会社(SPC)だ。SKテレコムはこのSPCを通じて2024年12月、ペンギン・ソリューションズと2億ドル(約2915億ウォン)規模の転換優先株投資契約を結んだ.
ケイマン諸島は法人税やキャピタルゲイン課税がない代表的タックスヘイブンで、グローバル投資ファンドが好む金融ハブとされる。外為規制や投資ストラクチャー設計の観点で制約が相対的に少なく、多数の機関投資家が参加する共同投資に有利との評価を受ける.
業界は今回の法人設立を単なる財務的投資拡大を超え、一段進化した戦略とみている。既存の海外投資体制の中でAI専用拠点を別建てした以上、今後は海外投資家との共同投資やファンド組成、有望AI企業発掘のためのプラットフォーム機能まで念頭に置いたとの解釈だ。単純な持分投資にとどまらず、AIモデル、エージェント、データセンターなどAIバリューチェーン全般へ投資範囲を広げようとする布石との見方も出ている.
SKテレコムがこれまで育成してきた「K-AIアライアンス」との連携可能性にも関心が集まる。SKテレコムはK-AIアライアンスを国内の革新AIスタートアップとの協力の軸と紹介した経緯がある。SKテレコムが主導するK-AIアライアンスの参加企業数だけで40社を超える。業界は、このネットワークが単なる技術協力を超え、今後は有望企業投資、海外資本の連携、共同事業化にまで拡張し得るとみている.
AI専門投資法人の設立は、SKテレコムのAIインフラ拡張の流れとも重なる。ウルサンAIデータセンターはSKテレコムがアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)と共同プロジェクトで進めており、ソウルでの追加データセンター着工も予告済みだ。新たなAI投資法人が、今後はスタートアップの持分投資にとどまらず、AIインフラ共同投資やグローバル資金誘致の金融拠点として活用され得るとの分析が出る背景だ.
今回のAI投資法人設立の背景にはAnthropicの投資成果もある。SKテレコムは2023年に1億ドル(当時の為替基準で約1300億ウォン)を投じてAnthropicの戦略的投資家として参画した。その後、Anthropicが相次ぐ資金調達で企業価値を引き上げる中、SKテレコムの保有持分の帳簿価額は昨年末時点で約1兆3800億ウォンに膨らんだ。初期投資金に比べて持分価値が10倍以上に拡大した格好だ。市場では、Anthropicが今後新規株式公開(IPO)に踏み切る場合、SKテレコムの持分価値が2兆〜3兆ウォン台に拡大し得るとの見方も出ている.
業界関係者は「SKテレコムがAnthropic投資で成果を立証した以上、これを機にグローバルAI投資に一段と積極的に動く可能性が大きい」と述べ、「ケイマンAI投資法人の設立は、今後の大型投資や共同ファンド組成を念頭に置いた布石とみることができる」と語った.
一方、他の韓国大企業もケイマン諸島に法人を設立した事例は少なくない。サムスン電子はケイマン諸島に2つのファンド法人(Samsung Global SME Private Equity Manager Fund、Samsung Private Equity Fund 2022 GP)と1つの投資法人(Samsung Co-Investment 2021 GP)を設立し運営中である。現代自動車も1つのファンド法人(China Mobility Fund,L.P)と1つの持株法人(China Millennium Corporations)をケイマン諸島に置いている.
投資業界関係者は「ケイマン諸島は米国に近いカリブ海に位置し、法人税、相続税、贈与税、所得税などの直接税がない」とし、「法人設立が容易で金融コストが低い利点からタックスヘイブンとして脚光を浴びる場所だ」と述べた.