「5月のゼネスト」を目標に争議行為の賛否投票を進めているサムスン電子労働組合が「2026年度の労使賃金・団体協約」(賃団協)の過程で会社側交渉委員の発言に法令違反の余地があるとして労働委員会に救済を申請したことが分かった。会社側が賃団協の最中に「半導体(DS)労組に分離して(補償を)多く受けた方がよくないか」「組合の仕事をしてから現業に復帰すれば特恵を受ける」といった発言をしたことが「公正代表義務」に反し「不当労働行為」に当たるという主張である。
救済申請を行ったのは「サムスングループ超企業労働組合サムスン電子支部」(超企業労組)である。最近、投票参加を促す過程で「ストライキ不参加の社員を強制配置転換と解雇の最優先対象とする」という趣旨の発言をして物議を醸した経緯がある。過半数労組の達成を掲げ、「労働者代表地位」獲得の手続きを進めてもいる。現在、超企業労組の加入者は6万7200人だ。
12日の業界情報によると、超企業労組はサムスン電子を相手取った救済申請書を11日に京畿地方労働委員会に提出した。超企業労組は、賃団協に参加した会社側の交渉代表委員・交渉委員2人が労組をDS・完成品(DX)などに分けるべきだとしたり、組合活動後の業務復帰の過程に言及したことが問題だという立場である。また、会社側がギネス(売上高・営業利益1位)達成時の追加補償支給案を提示しながら「達成条件は当然なので気にするな」「来年も交渉があるからまた要求せよ」などと発言した点も不適切だと指摘している。今回の超企業労組の救済申請は法務法人マジュンが代理している。
労働組合法には、交渉窓口一本化の手続きに参加した労組を会社側はもとより交渉代表労組が合理的理由なく差別してはならないという「公正代表義務」が明示されている。また、会社側が労組の組織・運営に影響を及ぼそうとしたり介入した場合は不当労働行為に当たると規定している。
サムスン電子は現在、5つの組合が活動する複数労組体制で、このうち規模が大きい▲超企業労組▲全国サムスン電子労働組合(全三労)▲サムスン電子同行労組は昨年11月に共同交渉団を組み、賃団協を進めてきた。成果給上限の撤廃などを巡って溝を埋められず、2月に交渉決裂を宣言した経緯がある。
超企業労組側は救済申請を行った趣旨として「会社側がDS・DX部門の分離を前提に交渉条件を異なる形で適用したり、異なる適用を誘導する行為を中止すべきだ」とし、「2026年賃団協の共同交渉団に参加した各労組に対して差別が発生しないよう『交渉単位および適用基準』を明確にすべきだ」と指摘した。京畿地方労働委員会がもし会社側に問題があると判断すれば是正命令を下し、これを正さなければならない。超企業労組は、今後判定書が出ればこれを社内掲示板に10日以上掲示しなければならない点も「救済申請書」に明示した。
3つの組合を中心に構成されたサムスン電子労組共同闘争本部は9日に開始した争議行為の賛否投票を18日に締め切る。投票で全組合員の過半の賛成により争議権を確保すれば、4月に全組合員集会、5月にゼネストなどを展開する計画だ。この過程で、超企業労組が単独で救済申請を行ったのは交渉力を高めるための手段だとの見方も出ている。業界関係者は「労組が示した補償案がDSに偏っており、DXとの相対的剝奪感を会社側が懸念したものだが、交渉委員個人を攻撃するのは行き過ぎの面がある」と述べた。