インテルの先端パッケージング技術「EMIB」が、人工知能(AI)半導体市場の巨大なボトルネックを打開する救援投手として登板した。エヌビディアなど主要顧客がTSMCのパッケージングライン確保に奔走する中、設計の柔軟性とコスト効率を前面に出したインテルが、TSMC中心の独走体制に亀裂を入れ始めたとの評価が出ている。
微細工程の競争で後れを取っていたインテルが、パッケージングを武器にファウンドリー(半導体受託生産)再建の勝負手を打ったとの分析が出ている。パッケージングは完成した半導体チップを基板上に積み重ねて接続し、1つの製品に仕上げる工程で、足元ではAI半導体の生産速度がこの段階で滞る「ボトルネック現象」が深刻化し、その重要性が一段と高まった。チップをより小さくすることよりも、複数のチップをいかに効率的につなぎ合わせるかが全体性能を左右する中核の競争力になった格好だ。
11日、海外報道と関連業界によると、インテルは先端パッケージング技術であるEMIB(Embedded Multi-die Interconnect Bridge)事業を数兆ウォン規模に拡大し、TSMCが主導してきた市場の攻略に乗り出した。インテルのデビッド・ジンスナー最高財務責任者(CFO)は最近の投資家向け説明で「当初は数億ドル規模と見込んでいたパッケージング関連の契約が、年間数十億ドル水準へ拡大する可能性がある」と述べ、数十億ドル規模の先端パッケージングの取引が目前にあることを示唆した。
とりわけインテルは、稼働を本格化した米国ニューメキシコ州リオランチョの「ファブ9(Fab 9)」を軸に量産体制を固め、アマゾンウェブサービス(AWS)やシスコなど大口顧客との協業を拡大しながら、ファウンドリー売上の早期達成を狙っている。インテルは米国リオランチョだけでなく、マレーシアのペナンにも大規模な先端パッケージング拠点を構築し、グローバルサプライチェーンの多角化を進めている。特にペナンのファブは、インテルの伝統的な後工程ノウハウが集約された拠点であり、次世代EMIBの量産を下支えする中核基地の役割を担う見通しだ。
こうした変化は、AI半導体需要が爆発しTSMCのパッケージング生産能力が限界に達したためである。現在、エヌビディアなどAIグラフィックスプロセッシングユニット(GPU)の主要顧客は、TSMCの「CoWoS(Chip-on-Wafer-on-Substrate)」の生産スロットを確保するために、数カ月から最長で1年前後まで待機しなければならない状況にあるとされる。CoWoSはシリコン板(インターポーザ)上にロジックチップと高帯域幅メモリー(HBM)を並置して接続するTSMCの中核的な2.5Dパッケージング技術で、現在のAIチップ製造の「事実上の標準」とされる。この工程の供給遅延を懸念したグローバルなファブレス(半導体設計会社)が、インテルという「第2の供給元」を積極的に検討し始めた格好だ。
技術面でもインテルのEMIBは強力な武器を備える。すべてのチップを巨大なシリコン板上に載せるTSMC方式と異なり、インテルは必要な接続部位にのみ極小の「シリコンブリッジ(橋)」を挿入する。この方式は設計が柔軟であるだけでなく、高価なシリコンの使用量を減らせるためコスト効率の面で優位だとの評価だ。特にGPUとメモリーを一体に束ねる「チップレット(Chiplet)」構造が主流となる中で、データ伝送速度と電力効率を同時に引き上げるのに有利だとの分析が出ている。
サプライチェーンの観点での地政学的な優位もインテルに追い風だ。現在、米国で設計されたAIチップでさえ最終パッケージングのために台湾など海外へ送られる例が少なくないが、インテルは米国本土で製造から先端パッケージングまで一括処理できる、事実上唯一の最上位級サプライチェーンを備えた企業と評価される。地政学リスクの低減を図るアップル、クアルコムなど主要企業にとって、インテルの「メイド・イン・USA」サプライチェーンは魅力的な対案だ。
半導体業界関係者は「依然としてTSMCの市場支配力は絶対的だが、AI半導体競争の重心がパッケージングとシステムアーキテクチャへと徐々に移りつつある」と述べ、「インテルが先端パッケージング事業を足がかりに、ファウンドリー市場で反転のきっかけをつくれるか注目される」と語った。