昨年の通信サービス関連の紛争調整申請が2000件を超え、制度施行以降で最大となった。通信会社の大規模なサイバー侵害事故や端末の事前予約取消を巡る論争が重なり、紛争が急増したと分析される。
放送メディア通信委員会は4日、電気通信事業者と利用者の間の紛争を調整する通信紛争調整委員会の「2025年度 通信紛争調整 申請および処理結果」を発表した。
昨年に受け付けた紛争調整申請は2123件で、前年の1533件から590件増え、38.5%増加した。2019年の制度施行初年(6月から12月)の155件から7年目で10倍以上に膨らんだ格好だ。放送メディア通信委員会は、制度の認知度とアクセス性が高まった点も増加要因に挙げた。
類型別では、契約締結・利用・解約の過程で発生した利用契約関連が1122件で52.8%を占め、最も多かった。重要事項の説明または告知関連が478件(22.5%)、名義盗用などのその他が359件(16.9%)、サービス品質が143件(6.7%)、利用約款が21件(1.0%)の順だった。流通店やコールセンターの不十分な説明、虚偽・誇大広告、複雑な支援金支給条件などが紛争の主因として指摘された。
ただし全体の解決率は79.3%で、前年比3.6ポイント低下した。通信紛争調整委が決定したSKテレコムのサイバー侵害事故とKTのギャラクシーS25事前予約取消に関する調整を事業者が受け入れず、全体指標に影響を与えたという説明だ。類型別の解決率は、利用契約が82.8%で最も高く、重要事項の説明・告知79.5%、品質78.9%が続いた。その他と利用約款はそれぞれ65.9%、54.5%で相対的に低かった。
事業者別では、無線部門でSKテレコムが507件で最も多く、加入者10万人当たりの申請は1.6件だった。KTは307件(1.5件)、LG U+は276件(1.3件)だった。有線部門はLG U+が185件で最多で、10万人当たりの申請も3.1件で最も高かった。格安スマホ(MVNO)はKTスカイライフ78件、KT Mモバイル64件、LGハロービジョン43件の順となった。解決率は無線でSKテレコム83.1%が最も高く、有線はSKブロードバンドとKTがそれぞれ83.3%と集計された。
放送メディア通信委員会は、非対面での携帯電話開通過程での名義盗用や貸与事件が頻発していることから、被害予防と事後救済の改善に向け、事業者の自発的な参加と協力を促す計画だ。