半導体技術が極限へと突き進むなかで「どう作るか」と同じくらい「どう切るか」が半導体パッケージングの焦点として浮上した。数千億ウォンの露光装置で精密に描いた回路図も、最後の切断工程で微細な亀裂(クラック)が入れば、数千万ウォンの人工知能(AI)半導体チップが廃棄物に転落するためだ。
日本のディスコ(DISCO)が掌握してきたダイシング(Dicing・ウェハー切断)市場に挑戦状を叩きつけた韓国企業がある。レーザー基盤の無損傷切断技術「ファインカット(Fine Cut)」を前面に掲げるアイティアイ(ITI)だ. 1月19日京畿道安養市の本社で会ったイ・ソクジュン(55)代表は「ダイシングはもはや単なる後工程の仕上げではなく、HBM4(第6世代高帯域幅メモリー)とガラス基板の成否を分ける核心の鍵だ」と語った。
イ代表は漢陽大学機械工学科を卒業し、ロシアのモスクワ国立技術大学でレーザー加工学の博士号を取得した。LG産電の研究員時代から蓄積した超精密レーザーのノウハウを基にアイティアイを設立し、フォルダブルフォン向け超薄膜ガラス(UTG)加工技術の国産化を主導してサムスン電子などグローバルなサプライチェーンに参入した経緯がある。業界では、イ代表の専門性はディスプレーを越え次世代半導体パッケージング市場で突破口を築けるとみている。
従来のダイシングは物理的な刃(ホイール)でウェハーを切るか、レーザーで内部を溶かした後に無理やり割く方式が主に使われてきた。しかしHBM4から状況は変わる。HBM4に用いられるDRAMチップの厚さは20〜30μm(マイクロメートル)水準で、A4用紙の厚さの4分の1にも満たない。これほど薄いチップを刃で切れば、目に見えない微細な亀裂が入りやすい。ダイシング直後は問題なく見えても、チップを層状に積み上げ(ボンディング)熱を加える次工程で、この小さな亀裂がぱっくり裂けて大量不良につながる。
次世代パッケージングのゲームチェンジャーとされるガラス基板は状況がさらに切迫している。ガラスはシリコンより滑らかで電気的特性に優れるが、衝撃に極度に弱い脆性素材だ。従来のように刃を当てたり強い熱を加えたりすれば基板全体に微細なヘアラインクラックが入りがちで、これはすぐに基板の破損へ直結する。
イ代表が示した解法が「ファインカット」技術である。素材を削ったり溶かしたりする代わりに、レーザーの熱応力を精密に制御して自発的に分離させる方式だ。イ代表は「ファインカットは切断面が滑らかで追加の研磨工程が不要であり、残渣(パーティクル)の発生も最小化した」と述べ、「特に紙のように薄くなったHBM4用DRAMダイと衝撃に弱いガラス基板の加工において、アイティアイの無損傷技術は歩留まりを保証する独歩的な解決策になる」と説明した。
イ代表はダイシング装置の国産化は単なる「輸入代替」を超える意味を持つと力説した。装置を握る側が工程の標準を作るためだ。日本製装置に依存すれば、彼らが定めた方式の範囲内でしか歩留まりを合わせられないが、独自のダイシング技術を確保すればHBMやガラス基板工程で原価と歩留まりを韓国企業が主導的に設計できるという論理だ。以下、イ代表との一問一答。
―HBMとガラス基板の工程でダイシングがなぜ重要か。
「HBMはチップを層状に積む構造のため、切断時に発生した微細な損傷が後続の熱処理工程で破損へ拡大するリスクが大きい。特にHBM4はダイの厚さが極端に薄くなり、従来方式では限界が明白だ。ガラス基板もまた、切断面の微細クラックが全体の歩留まりを左右する核心変数だ。」
―日本のディスコが市場を独占してきた背景と、従来方式の限界は。
「ディスコは技術を超えて『工程標準』を掌握した会社だ。しかし従来のホイールダイシングは物理的衝撃によるクラックを避けにくく、レーザーで内部を溶かすステルスダイシングも目に見えない欠陥を残す。こうした欠陥はダイシング直後ではなく、その後のボンディング工程で『炸裂する』時限爆弾になる。」
―アイティアイ「ファインカット(Fine Cut)」の差別化点は何か。
「削ったり溶かしたりするのではなく、レーザーの熱応力を制御して分離する方式だ。切断段階からクラックがない『ボーンクラックフリー(Born Crack-Free)』という概念である。後続の研磨工程は不要で、パーティクルも最小化できる。フェムト秒レーザーも代替案として挙げられるが、結局重要なのはレーザーの速度ではなく、熱と応力をどう制御するかに懸かっている。」
―ディスプレー(UTG)技術が半導体へ拡張された格好だが。
「フォルダブル向け超薄膜ガラス(UTG)を無損傷で扱いながら蓄積したノウハウがアイティアイ技術の根幹だ。装置の国産化は単なる輸入代替を越え、工程の選択権と原価設計の権限を我々が取り戻すことを意味する。ガラス基板はまだグローバル標準がない未踏の地であるだけに、装置と工程、製造をすべて理解する企業として主導的な役割を果たしたい。」