次世代パワー半導体を巡る政府戦略が本格化した。産業通商部は最近「次世代パワー半導体推進団」を公式に発足させ、団長にク・サンモ(53)光云大学電子材料工学科教授を選任した。パワー半導体は電気自動車、国家電力網、人工知能(AI)データセンター、国防・ロボットなど国家の中核インフラ全般で電力を制御・変換する必須部品であり、政府は2030年までに技術自立率を現在の10%水準から20%へ引き上げる目標を示した。単純な研究開発(R&D)支援を越え、パワー半導体を国家戦略インフラの次元で扱う政策的転換と解釈される。
パワー半導体は演算を担うメモリー・中央処理装置(CPU)と異なり、電気の流れ自体を扱う。最近は既存のシリコン(Si)基盤を越えて、シリコンカーバイド(SiC)、ガリウムナイトライド(GaN)などの化合物パワー半導体が中核技術として台頭した。SiCは高電圧・高出力環境に強く、電気自動車の駆動系、超高圧電力網、高電力AIデータセンターに適しており、GaNは高周波・高効率の特性を基に充電器や電源装置、通信機器などに活用される。AIの普及とエネルギー需要の急増が重なり、パワー半導体は中核戦略技術として注目されている。
15日、ソウル蘆原区の光云大学で会ったク団長はパワー半導体を「エネルギーを循環させる心臓」に例えた。電気自動車を越え、国家電力網、エネルギー高速道路、高電圧直流送電(HVDC)、AIデータセンターに至るまで、パワー半導体が正しく作動しなければ国家インフラ全体が止まる。ク団長は、パワー半導体で言う「技術自立」は単なる国産化比率ではなく、中核インフラで国産パワー半導体を実際に使用し、安定的に運用できる構造を整えることだと強調する。
ク団長は化合物パワー半導体とナノ素子分野の国際的研究者であり、SiC・GaN基盤のパワー素子研究を先導してきた。スウェーデン王立科学院で博士号を取得後、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)客員研究員と米国国立標準技術研究所(NIST)を経て、2006年に光云大学電子材料工学科教授に就任した。
現在、パワー半導体産業のグローバル競争構図は韓国にとって容易ではない状況だ。欧州は自動車産業を基盤に数十年にわたりパワー半導体技術を蓄積してきたうえ、電気自動車と産業用電力システムを中心にSiCの商用化を先導している。米国もAIデータセンターと国防需要を軸に高信頼・高性能パワー半導体を戦略資産として管理し、技術優位を維持している。一方、韓国はメモリー半導体に集中してきた産業構造のため、パワー半導体では後発に近い位置にあるとの評価が出ている。そこへ中国が大規模投資と量的攻勢を前面に出し、SiC・GaNの素材とデバイス全般で急速に追い上げており、技術格差がさらに広がる恐れも指摘される。
推進団の最大の特徴は「需要中心」のアプローチだ。既存の半導体政策が技術開発の後に活用先を探す方式だったのに対し、推進団は電気自動車・電力網・AIデータセンター・国防など需要産業の企画段階から必要な性能と仕様を定義する構造を志向する。国内需要家がすでに安定的に使用している外国製部品をあえて代替する誘因がなかった現実を、政策的に解消しようという趣旨だ。ク団長はこれを「先需要・後開発」と要約し、公共インフラと民間需要を同時に結びつけることが推進団体制の差別化要因だと説明した。
推進団は今年上半期までにパワー半導体技術開発ロードマップを具体化する計画だ。需要産業別の要求性能を整理し、これを基に素材・工程・設計・ファウンドリー全般にわたる中長期R&Dの方向を設定する。下半期には大型研究開発課題の企画と制度化の議論が続く見通しだ。関連法の補完と制度改善を通じ、電力網、データセンター、武器体系など公共領域で国産パワー半導体が実際に適用されるようにする方策も検討される。人材育成にも注力する。以下、ク団長との一問一答
―なぜ今「パワー半導体」なのか。政府がこの時点で推進団まで組成した背景は。
「パワー半導体は単に電気自動車向け部品一つの問題ではない。電気自動車を越え、国家電力網、エネルギー高速道路、高電圧直流送電(HVDC)、AIデータセンターに至るまで、パワー半導体が正しく作動しなければインフラ全体が止まる。AIの拡散で電力需要が爆発的に増える中で、電力をどれだけ効率的に制御し供給するかが国家競争力になった。パワー半導体はエネルギーを循環させる心臓と血管、筋肉に当たる半導体だ。これを外部に依存する構造は、エネルギー主権、技術主権の側面で限界がある。」
―パワー半導体で言う「技術自立」と「主権」は何を基準に判断すべきか。
「パワー半導体の自立を国産化比率何%かだけで見るのは危険だ。重要なのは実際に使われるかどうかだ。電気自動車だけでなく、国家電力網、HVDC、AIデータセンターのような中核インフラで国産パワー半導体を適用し、長期間安定的に運用できてこそ自立と言える。単に作れる技術ではなく、国家インフラの中で作動する技術が基準になるべきだ。」
―メモリー半導体と異なり、パワー半導体は需要産業との結束がより重要だとの評価が多い。
「これまでの半導体政策は技術を先に開発してから『どこに使うのか』を悩む方式だった。推進団はその順序を変えた。電気自動車、電力網、AIデータセンター、国防といった需要産業の企画段階から、どのような性能と仕様が必要かを先に定義する。国内需要家の立場では、すでに安定的に使っている外国製部品をあえて替える理由がなかったが、我々はその構造的な問題を政策的に解消しようとしている。「先需要・後開発」が推進団体制の最大の差別点だ。」
―推進団が重点を置く需要先はどこか。
「電気自動車も重要だが、構造的により大きな需要は電力網とAIデータセンターだ。AIデータセンターは莫大な電力を必要とし、これを安定的に供給するには高効率・高信頼のパワー半導体が不可欠だ。ここに国防とロボット、いわゆるフィジカルAI領域も重要な需要先にならざるを得ない。パワー半導体は特定産業を越えて国家インフラ全般と接している。」
―SiC・GaNパワー半導体で韓国が最も脆弱な環はどこだと見るか。
「一、二箇所を挙げるよりもサプライチェーン全体を見るべきだ。素材・工程・設計・ファウンドリー全般に少しずつは力量があるが、欧州と米国とは格差があり、中国も急速に追い上げている。その中でも素材は必ず押さえておくべきだ。技術が全くないわけではないが、海外依存度が非常に高い。今内在化できなければ、今後産業自体が不毛の地になり得る。」
―工程・ファウンドリーの力量はどう高度化する計画か。
「国内に工程とファウンドリーの力量は存在する。問題はその力量が実際にはあまり使われていない点だ。多く作り、国内需要家で消化され、経験が蓄積されてこそ技術は高度化する。だからこそ公共・民間需要をともに強調するのだ。研究開発と量産、需要は切り離されているものではない。」
―2030年の技術自立率20%目標は現実的か。
「20%という数字自体が目標というより、必ず越えるべき最小の基準線だ。今の水準から2倍以上は無条件で行かなければならない。サムスン電子、SKシルトロン、DBハイテック、LS、韓国電力などのキープレイヤーと意思疎通してみると、パワー半導体の必要性に対する共感帯はすでに形成されている。ただし特定企業が単独で解決できる問題ではない。推進団が必要な理由だ。」
―推進団体制であってこそ可能な差別化要因は何だと見るか。
「研究開発だけでなく、制度と公共需要まで併せて見るという点だ。電力網、データセンター、武器体系といった公共インフラで国産パワー半導体が実際に使われるようにする構造を作りたい。人材育成も同じだ。自給の生態系を構築しなければならない。パワー半導体は市場規模の問題ではない。インフラと安保、そして主権の問題だ。AIの普及とともに電力需要が急増する今が、決定的な時期だと見る。」