LXセミコンがIT向け有機発光ダイオード(OLED)ディスプレー駆動チップ(DDI)市場の攻略に拍車をかけている。台湾のNovatechなどとの競争で収益性が悪化するなか、メモリー半導体価格の上昇で今年のスマートフォン出荷台数減少が見込まれるため、DDI採用量が増えているタブレットなどIT市場を先取りするという方針である。
DDIはスマートフォンやテレビ、タブレットなどに搭載されるディスプレーで、画面のピクセル一つ一つを制御して鮮明で生き生きとした映像を実現する半導体だ。DDI市場の1位はサムスン電子で、世界市場で約30%のシェアを記録しており、これにNovatechとLXセミコンが続いている。
20日、金融情報会社FnGuideによると、昨年のLXセミコンの営業利益見通しは1,053億ウォンで、前年(1,671ウォン)比約36.9%減少する見込みである。スマートフォン市場で競争が激化する一方、テレビ需要も減少し、OLEDパネルに入るDDIの供給量が減って収益性が悪化したと分析される。現代車証券のキム・ジョンベ研究員は「スマートフォン市場でのシェア縮小とテレビ需要の萎縮により、小型・大型DDIの業績はいずれも不振な状況が続いている」と述べた。
LXセミコンはOLED採用量が大きく増えているタブレットなどIT市場を攻略し、収益性を確保する戦略だ。アップルのiPadなどが液晶ディスプレー(LCD)パネルからOLEDへの転換を加速させるなか、IT市場でのOLED出荷量が急速に増えている。市場調査会社ユビリサーチによると、グローバルIT向けOLED出荷量は昨年の2,400万台から2029年には5,300万台まで増加する見通しである。
IBK証券のカン・ミング研究員は「テレビに入るDDIは中長期的な需要減少と顧客企業の二元化など負の影響が続いている」としつつも、「しかしIT製品内でのOLED比率が段階的に増加すると見込まれ、(LXセミコンの)収益性回復をけん引する見通しだ」と説明した。
今年からメモリー半導体価格上昇の影響が本格化し、スマートフォンなどに製品を供給する部品各社の収益性改善は困難だとの分析が支配的である。人工知能(AI)産業の成長でサーバー向けDRAMなどの需要が急増し、供給が追いつかない状況だ。こうした理由からDRAMなどメモリー半導体価格が大幅に上昇し、スマートフォンとPCの発売価格の上昇につながっている。
部品業界の関係者は「今年のスマートフォンやPCなどの製品発売価格の上昇は当然の流れだ」とし、「昨年に事業計画を策定する際に予測していた出荷量が下方修正されており、部品各社も単価引き下げの圧力にさらされている状況だ」と説明した。
スマートフォン市場で競争が激化している点も懸念要因である。昨年、主力顧客であったLGディスプレイのDDIサプライチェーンに台湾のNovatechが参入し、DDI出荷量が打撃を受けている。LXセミコンは中国のBOEなどにもDDIを納入して顧客基盤を多様化したが、BOEもNovatechからDDIの供給を受け始め、出荷量の減少と部品価格の引き下げ圧力にさらされている状況である。