エヌビディアが今月、米国ラスベガスで開催された世界最大のIT・家電見本市「CES 2026」で次世代人工知能(AI)半導体「ベラ・ルービン」を公開したなか、そこに組み込まれる新技術にテック業界の関心が集まっている。エヌビディアは新製品を投入するたび、メモリー半導体からチップ間を接続する通信方式に至るまで先端技術を適用してきた。性能と電力効率などを最大限まで引き上げ、先頭の座を固める戦略の一環である。
15日エヌビディアによると、ベラ・ルービンは同社が公開した最新製品で、今年量産され顧客企業に出荷される計画だ。世界的な碩学の名を冠した先行世代製品であるホッパーやブラックウェルシリーズのように、今回の新製品も暗黒物質の証拠を発見した米国の天文学者ベラ・ルービンの名前を取った。エヌビディアは今回の新製品が前世代AI半導体ブラックウェルの性能を5倍以上上回ると説明した。とりわけエヌビディアは、今回の新製品の性能を最大化するため、光半導体技術であるシリコンフォトニクスなどを新たに適用したと明らかにした。
◇ 光信号で通信速度を高め、水でサーバーを冷却し消費電力↓
ベラ・ルービンが搭載されるサーバーには、業界で初めて光でデータを送る方式であるシリコンフォトニクスが適用される予定だ。これは従来の銅線の代わりに光(光信号)を用いてサーバーとデータの送受信を行う技術で、電力効率は5倍、伝送速度は10倍以上高められる技術と評価される。AI半導体は大容量データを処理する分、莫大な電力を消費し、AI性能を高めるにはより高速なデータ処理が必要となるが、これに最適化されているとの評価だ。
電力効率を確保するため100%水冷式システムを適用した点も差別化要素である。水冷式システムは、従来の風でサーバーの熱を冷ます空冷式と異なり、水でサーバーの熱を冷ます方式だ。水は空気より熱伝導率が25倍以上と格段に高く、サーバーの高発熱部品(CPU、GPUなど)で発生する熱を迅速かつ効率的に放出または吸収できる。大規模な換気ファンを稼働し冷気を循環させる空冷式よりも消費電力が少ない。
セキュリティ性能も強化した。エヌビディアはベラ・ルービンのサーバーに第2世代のモニタリングシステムを搭載した。AIモデルを学習する過程でサーバー障害はモデル学習に相当な影響を及ぼしうる。エヌビディアはこれを防ぐため、新たなモニタリングシステムによって問題発生時でもシステムを停止せず、元の作業を引き継いでAI演算に支障が生じないソフトウエアシステムを適用した。
◇ HBM4、TSMC 3㎚でAI半導体の性能を向上
今回のAI半導体で最も目を引く変化は、メモリー半導体であるHBM4(第6世代HBM)が適用された点である。高帯域幅メモリー(HBM)は、メモリー容量のみならずAI半導体の頭脳を担うプロセッサーへデータを送る速度まで極大化した製品だ。ベラ・ルービンにはHBM4が業界で初めて適用される。エヌビディアはAI半導体の性能を最大限に高めるため、サムスン電子とSKハイニックス、マイクロンなどと初期ロットの購買契約を結んだにもかかわらず、伝送速度など性能を一段と引き上げられる方策を継続的に求めているとされる。
ベラ・ルービンプラットフォームはTSMCの3ナノ(㎚・1㎚は10億分の1m)プロセスを適用し、演算性能を引き上げた。エヌビディアはグラフィックス処理装置(GPU)の性能が前世代比で4倍向上したと明らかにした。同一モデルの学習に必要なGPUの個数は前作と比べて4分の1に減り、AI演算性能を実現するために要するコストも従来の10分の1に低下したというのが同社の説明だ。