ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は5日(現地時間)、次世代人工知能(AI)チップ「ベラ・ルビン」の実機を公開し「量産に投入した」と明らかにした。またメルセデス・ベンツと協業した自動運転車は年内第1四半期に投入する予定だと述べた。
フアンCEOはこの日、米国ラスベガスのフォンテンブロー・ホテルで開かれた「NVIDIA Live」のイベントで登壇し「ベラ・ルビンNVL72を量産中だ」と明らかにした。この製品は現在販売中のAIチップ「グレース・ブラックウェル」(GB)より高い性能を誇る。中央処理装置(CPU)「ベラ」36個とグラフィックス処理装置(GPU)「ルビン」72個を一体で構成したのが特徴である。従来製品比で推論性能は5倍高く、トークン当たりコストは10分の1水準に引き下げた。
世界最大のIT・家電見本市「CES 2026」開幕前日に開かれたこのイベントは、3600席規模のブロ・ライブ劇場で催されたが、フアンCEOの講演開始約15分前から全席が埋まった。エヌビディアはこれに、ホテル内の別施設に設置した大型電光掲示板でフアンCEOのCES 2026特別講演を生中継した。この会場も来場者で瞬く間に埋まった。
フアンCEOは「われわれはたった1年たりとも遅れを取らず、毎年コンピューティング技術水準を前進させなければならないと考えた」とし「そのためには今ごろ生産に入っていなければならない。ベラ・ルビンは現在本格的な量産段階にある」と述べた。あわせて「AIの学習・推論の双方で演算需要が急増している状況で、ベラ・ルビンを適時に投入する」と付け加えた。
ルビン・プラットフォームはエヌビディアが昨年3月の年次開発者会議GTCで初公開した。フアンCEOは、ルビン・プラットフォームを適用した製品は計画どおり年内下半期から販売が行われると述べた。
フアンCEOはベラ・ルビン製品を構成する各要素についての説明も続けた。2270億個のトランジスタで構成されたベラCPUについては「世界で最も先進的なCPUと比べてワット当たり性能が約2倍良い」と述べた。AI推論作業に適したルビンGPUは3360億個のトランジスタで構成される。
フアンCEOは「すべての問題に最大かつ最も賢いAIモデルを使うよりも、状況に合わせて適切なものを稼働させるのがよい」とし「次世代ルビン・プラットフォームはあらゆる計算を支えるAIスーパーコンピューターとして機能する」と述べた。さらに「エヌビディアはチップからインフラ、モデル、アプリに至るまでAIに関連するあらゆるスタックを再発明している」とし「世界の開発者が革新的なアプリを作れる土台を提供する」と語った。
フアンCEOはこの日、自動運転車両プラットフォーム「アルファマヨ」も公開した。昨年初めに開かれたCES 2025で公開したファウンデーションモデル「コスモス」と連携したプラットフォームである。フアンCEOは、カメラで確認される事実だけを把握する段階を越え、将来起こり得る事象を推論して作動できるのが特徴だと紹介した。アルファマヨはメルセデス・ベンツの車両「CLA」に初めて搭載される。この車両は年内第1四半期の米国発売を皮切りに、欧州・アジアなどへ販売が拡大される。
エヌビディアはこのほかにロボティクスモデル「グルート」も公開した。ボストン・ダイナミクスやフィガーAIなどが手がけたロボットがこれを通じて駆動する様子も示した。フアンCEOは「エヌビディアは単にチップを売る会社ではなく、全体のシステムを作るところだ」とし「全世界がAI革命に参加できるよう支援する」と述べた。