サイバー侵害急増も情報保護投資増率が鈍化

今年は各種のハッキングや個人情報流出事故が相次いだが、企業の情報保護投資と専任人員の拡充ペースはむしろ鈍化したことが明らかになった。

科学技術情報通信部が30日に発表した「2025年情報保護公示履行企業現況分析」によると、今年の公示対象773社の情報保護総投資額は2兆4,230億ウォンで前年比14.3%増だった。専任人員数は8,506人で10.7%増えた。

2022年に情報保護公示制度が義務化されて以降、投資と人員は毎年増加してきたが、今年の増加率は義務化以後で最も低い水準を記録した。サイバー侵害事故が急増している現実に比べ、民間の投資ペースが追いついていないとの指摘が出ている。

業種別の平均投資額は金融・保険業が85億ウォンで最も多く、情報通信業（62億ウォン）、卸売・小売業（32億ウォン）が続いた。一方で事業施設管理・賃貸サービス業と保健・福祉サービス業は投資額が前年より減少した。

専任人員規模は情報通信業が平均25.4人で最も多く、金融・保険業（22.8人）、卸売・小売業（9.8人）が続いた。ただし一部のサービス業では人員数が小幅に減少した。

情報保護公示企業数は制度導入初年の2022年の658社から2024年に718社、今年は773社へと着実に増加した。韓国政府はこのデータを通じて産業全般のセキュリティ水準を点検し、企業の情報保護投資が実質的な経営リスク管理につながるよう誘導する方針だ。

科学技術情報通信部の関係者は「情報保護公示が単なる形式ではなく、経営陣が直接点検し投資の優先順位を調整する契機とならなければならない」と述べ、「企業の自律的なセキュリティ投資を下支えする制度的支援も並行する」と明らかにした。