KTの株主構成に変化の兆しが出ている。主要な外国人株主であるウェリントン・マネジメント・カンパニーが持ち株を拡大して第3位株主に浮上し、2026年3月に予定される次期代表理事(CEO)選任の株主総会で外国人株主の連携可能性が取り沙汰されている。
外国人大株主は「単純投資目的だ」と線を引いているが、スチュワードシップ・コード(機関投資家が顧客・受益者の利益のために投資先企業を責任をもって監視し、株主権を積極的に行使するよう定めた原則)が現実化した場合、議決権行使の様相が変わる可能性があるとの見方が出ている。とりわけCEO選任手続きを巡る雑音と結び付けば、国民年金など韓国の機関と外国人株主の力比べに発展しかねないとの懸念も提起されている。
◇ 外国人大株主3社の持ち株比率が15%超え
24日、業界によると、外国人大株主であるウェリントンのKT保有持ち株が6.14%に増加した。今回の持ち株拡大でウェリントンは、持ち株5.75%を保有する新韓銀行を抜き、現代自動車グループ(8.07%)と国民年金公団(7.54%)に次いで第3位株主に浮上した。ウェリントンは米国ボストン拠点のグローバル資産運用会社で、1500兆ウォン以上の資産を運用しているとされる。
業界内外では、外国人大株主の影響力が強まったとの評価が出ている。ウェリントンに加え、T・ロウ・プライス(5%)、シルチェスター・インターナショナル(4.14%)の持ち株まで合算すると、外国人大株主の保有持ち株は15.28%となる。国民年金(7.54%)と国民年金が筆頭株主である新韓銀行(5.75%)の合算持ち株比率より1.99%ポイント(P)高いことから、2026年3月の株主総会で外国人の票が「キャスティングボート」となる可能性があるとの見方も出ている。
ウェリントンの持ち株拡大の速度も業界の視線を集めている。5%未満から始まった持ち株が2025年11月末に5%を超え、1カ月も経たずに1%以上を追加で確保したためだ。業界では、2026年3月の株主総会を念頭に置いたポジショニングの可能性があるとの解釈も出ている。通信業界関係者は「国民年金が現代自動車の支援を受けるとしても、外国人大株主がスチュワードシップ・コードを発動して連携する場合、力勝負で劣勢になり得る」と述べ、「現在KTの外国人持ち株比率がマージナルラインである49%まで上がっている状況だ。ウェリントンとT・ロウ・プライス、シルチェスター以外にも、2〜4%台のKT株を保有する外国人株主、運用会社はさらに多いと推定される」と語った。
◇ 「経営空白リスクが懸念されればスチュワードシップ・コードを発動する可能性も」
カギは、ウェリントンを含む外国人大株主が2026年3月の株主総会まで「観望」にとどまるのか、スチュワードシップ・コード行使など積極的な議決権行動に転じるのかという点だ。スチュワードシップ・コードは、機関投資家が受託者責任の原則に基づき議決権を積極的に行使できるようにした指針である。企業のガバナンスや取締役会の透明性問題、経営空白の長期化や社会的論議などが浮上した場合、スチュワードシップ・コードの発動を通じて「単純投資」から「株主行動」へ転換する名分が生じ得るという点で、外国人株主連携のシナリオが取り沙汰されている。
同時に、国民年金がCEO選任手続きの論争をどこまで問題視するかも重要な変数である。最近の次期CEO選任過程では、チョ・スンア前社外取締役が現代自動車グループ系列会社の取締役会兼任問題で資格を喪失したという主張とともに、「違法手続きで進められたCEO選任を原初無効化すべきだ」という国民請願まで提起された。通信業界関係者は「仮に来年の株主総会で次期CEO候補の選任が不発に終わる場合、外国人大株主が経営空白の長期化を防ぐため、株主として積極的な権利行使に踏み切る可能性も排除できない」と述べた。
政府が今月中にハッキング事故に関する最終調査結果を発表する予定である点も変数として挙げられる。迅速な危機対応のためには次期CEOの早期登板が必要であり、外国人大株主の主導で2026年1月中に臨時株主総会を開催する可能性もあるということだ。商法上、3%以上の持ち株を持つ株主は臨時株主総会の招集を要求できる。
リュ・ジョンギ西江大学知識融合メディア大学兼任教授は「ウェリントンが株主権行使に必要な保有持ち株を確保したとみられる」とし、「2026年3月の株主総会の議案確定前に、会社側に対し代表理事選任の反対や賛成、監査委員である社外取締役候補の推薦といった議決権を株主提案として求めることもあり得る」と述べた。