2025年3四半期のファウンドリー(半導体受託生産)2.0市場で、1位のTSMCが市場占有率39%を占めたと集計された。「ファウンドリー2.0」とは、純粋ファウンドリー企業だけでなく、ロジックの総合半導体企業(IDM)、外部委託の半導体組立・テスト(OSAT)企業、フォトマスク供給企業まで範囲を広げた市場を意味する。
23日、市場調査会社カウンターポイント・リサーチによると、グローバルのファウンドリー2.0市場売上高は2025年3四半期に848億ドルを記録した。前年より17%増加した。前工程の製造と後工程の先端パッケージング全般で人工知能(AI)グラフィックス処理装置(GPU)に対する堅調な需要が続くなか、TSMCのような純粋ファウンドリー企業が成長を牽引したと分析した。
2025年3四半期のTSMCは前年同期比41%増の売上高を記録したと推定される。カウンターポイント・リサーチは、アップルのフラッグシップスマートフォン向けソリューションのための3ナノ工程のランプアップと、エヌビディア、AMD、ブロードコムなどAIアクセラレータ顧客向け4・5ナノ工程の高い稼働率が売上増加要因だと分析した。TSMCを除くファウンドリー企業の四半期売上成長率は6%となった。中国のファウンドリーは現地の政策支援に支えられ、前年同期比12%成長した。
2025年3四半期のファウンドリー2.0市場占有率は、TSMC 39%、ASE 6%、テキサス・インスツルメンツ 6%、インテル・ファウンドリー 5%、インフィニオン 5%、サムスン電子 4%の順となった。
ジェイク・ライ カウンターポイント・リサーチ主任研究員は「ファウンドリー2.0市場の年間売上成長率は約15%水準にとどまる見通しだ」と述べ、「主要な売上成長の原動力である4・5ナノ工程がフル稼働となり限界に達し、TSMCの先端パッケージング技術であるCoWoSの設備にも制約が生じていることから、TSMCが2025年4四半期に再び大きな前期比の売上成長を記録するのは難しいだろう」と分析した。
続けて「純粋ファウンドリー市場は前年比26%成長する見通しだ」とし、「今後数四半期にわたりAI GPUとAI特定用途向け集積回路(ASIC)の継続的な出荷がこれを下支えし、全体市場拡大の中核的な寄与を果たす」と付け加えた。