個人情報保護委員会は個人情報事故の予防を強化するため、専任組織を新設し、調査・紛争対応人員を拡充する内容の職制改編を12月23日に国務会議で審議・議決したと明らかにした。改正された職制施行令と施行規則は公布後ただちに施行される予定だ。
今回の改編は李在明政権の国政課題である「国民が安心できる個人情報保護体制の確立」を本格推進するための措置で、個人情報委は1官1課の新設とともに合計17人の定員を拡充した。
個人情報委はまず個人情報事故を事前に予防する機能を専担する「予防調整審議官」と「事前実態点検課」を新設する。予防調整審議官は高位公務員ナ級で、個人情報保護体制を事後制裁中心から予防中心へ転換する役割を総括する。事前実態点検課は7人規模で構成し、国民生活に密接で侵害リスクが高い分野を対象に、事故発生以前に個人情報処理の実態を点検する。とりわけ人工知能（AI）など新技術の拡散で現れる新たな侵害類型を事前に把握し、改善を促すことに重点を置く予定だ。
大型化・複雑化する個人情報流出事故に対応するための調査・紛争調整機能も強化される。個人情報委は調査官6人と紛争調整人員1人など計7人を追加確保し、調査・紛争対応の体制を補強する。AI活用の拡大で流出事故の規模と難度が高まる状況において、今回の人員拡充により、より迅速かつ精緻な調査と被害救済中心の紛争調整が可能になると見込まれる。
あわせて国民とのコミュニケーション強化のため、デジタル広報の専任人員2人を確保し「デジタル疎通チーム」を新設する。大規模流出事故発生時に正確かつ迅速な情報提供を強化し、オンライン基盤の対国民コミュニケーションと国内外の個人情報イシューへの対応力を高めるための措置だ。
ソン・ギョンヒ個人情報委委員長は「今回の組織と定員の補強は、個人情報保護体制を事後対応から事前予防へ転換する重要な基盤だ」と述べ、「AI時代にふさわしい予防・調査・調整機能とデジタル疎通の能力を強化し、国民が安心できる個人情報保護体制を構築していく」と明らかにした。