ハッキング事件の調査を受けているKTが、相次ぐ悪材料で窮地に追い込まれている。科学技術情報通信部と個人情報保護委員会に続き、放送メディア通信委員会までがハッキング事件の調査に加勢することを示唆したためである.
16日に開かれた国会人事聴聞会で、キム・ジョンチョル放送メディア通信委員会委員長は、KTの電気通信事業法違反の有無を調査すると明らかにした。キム委員長は「KTが電気通信事業法で規定した禁止行為に違反した事実があるかどうか、権限の範囲内で最優先で調査する」と述べた.
KTは昨年3月から7月までにマルウェアに感染したサーバー43台を発見しながら、これを科学技術情報通信部に申告しなかった。とりわけ今年4月のSKテレコムのハッキング事件以降、KTは自社のセキュリティ競争力を強調する発表を行った。KTは7月、自社のセキュリティネットワーク「K-Security Framework」の運用を通じて、顧客個人情報保護の全工程に対する徹底した統制が可能だと強調した。問題は、こうした行為が電気通信事業法で禁じる「顧客欺罔行為」に該当し得る点である。電気通信事業法違反が確認されれば、3カ月以内の新規利用者の募集禁止などの営業制裁を受ける可能性がある.
こうした状況下で、政府が推進中の懲罰的課徴金もKTに間接的に負担として作用する見通しだ。15日、国会政務委員会は、重大な個人情報侵害事故を起こした企業や、反復的に侵害事故を起こす企業に対し、全体売上の最大10%まで課徴金を課すことができるようにする個人情報保護法改正案を通過させた。従来は全体売上の最大3%まで課徴金の賦課が可能だった。もっとも、改正案が直ちにKTのハッキング事件に適用されるのは難しい。ソン・ギョンヒ個人情報保護委員会委員長も「法改正前に発生したハッキング事件には遡及適用が難しい」との立場を明らかにした.
しかし、懲罰的課徴金を推進する政府と国会の意思が明確である以上、課徴金額の算定にこの基調が反映されると業界は見込んでいる。通信業界関係者は「当面は改正される法律の適用を免れたとしても、今後ハッキング事故が再発した場合に懲罰的課徴金が賦課される可能性が高まったことは負担だ」としつつ、「現行法が規定する全体売上の最大3%まで課徴金が賦課される可能性もその分高まった」と述べた。8月に個人情報保護委員会がSKテレコムに賦課した個人情報流出に対する課徴金は1,348億9,100万ウォンで過去最大規模である。昨年のKTの移動通信事業の売上は約7兆ウォンで、個人情報保護委員会が最大で賦課可能な課徴金額は約2,100億ウォンだ。昨年のKT営業利益（1兆8,118億ウォン）の11.5%に達する金額である.
このような状況で、近く政府が発表する全加入者に対する違約金免除の可否決定もKTの足かせになり得る。科学技術情報通信部はハッキング事件の最終調査結果の発表後に、違約金免除に対する立場を示すと予告していた。違約金免除が実施されれば大規模な加入者離脱への懸念が大きいが、リーダーシップ不在で迅速な収拾が難しいとの見方も少なくない。パク・ユニョン前KT社長が次期代表理事の最終候補に選定されたものの、来年3月の株主総会で承認を得るまでは、事実上の経営空白状態が続かざるを得ない.
通信業界関係者は「違約金免除の可否は次期KT代表が最終選任される前に出るだろう。来年1〜2月ごろ、民官合同調査団の最終調査結果の発表直後に出る見通しだ」とし、「リーダーシップ不在の状態で違約金免除の可否が決まれば混乱が大きくなる」と述べた.