世界最大のファウンドリー(半導体受託生産)企業である台湾TSMCが、2027年ごろに米国アリゾナ第2工場で3ナノ(nm・10億分の1メートル)工程品の量産を開始する計画だと伝わった。
19日、中国時報など台湾メディアは、消息筋の話として、ウェイ・ジャジャTSMC会長が10月の決算説明会で公表したアリゾナ第2工場の建設および製品生産計画についてこのように報じた。
この消息筋は、アリゾナ第2工場の建設進捗が予想より早く、装置の搬入が来年7〜9月の間に実施される予定だと説明した。
消息筋は、通常は半導体装置の搬入・設置後に各種工程の認証手続きを経て生産までに1年かかるとして、量産時期が当初の2028年から2027年へと約1年前倒しになるだろうと伝えた。
別の消息筋は、こうしたスケジュールがTSMCの今後の海外先端工場設置の推進において重要なマイルストーンになるとし、米国内での生産を加速させるというウェイ会長の目標とも一致すると付け加えた。
TSMCは「米国の主要顧客と現地政府の強力な協力と支援の下で、引き続きアリゾナ工場の生産能力拡充を加速している」とし「現在、明確な進展を示しており、想定どおりに進捗している」と明らかにした。
先にウェイ会長は、10月に人工知能(AI)の成長に伴う需要拡大に対処するため、米国アリゾナ州フェニックスの21ファブ(fab・半導体生産工場)近くの土地を購入し、生産施設の拡充に乗り出すと述べた。
続けて、今後この用地に毎月10万枚以上のウエハーを生産できる超大型半導体工場であるギガファブを建設する計画だと強調した。
台湾メディアは最近、ハワード・ラトニック米商務長官が、TSMCが米国に2000億ドル(約295兆ウォン)を投資すると明らかにしたと報じた。
先にTSMCは、ジョー・バイデン前政権とトランプ政権の半導体生産施設の米国誘致政策に合わせ、2020年から米国内投資を増やしてきており、2025年3月に1000億ドル(約140兆ウォン)を追加投資して、総額1650億ドル(約243兆ウォン)まで投資額を拡大した。