グーグルが人工知能(AI)半導体市場でエヌビディアを牽制するため、Meta(メタ)と手を組んだ。
17日(現地時間)ロイター通信によると、グーグルはMeta(メタ)が開発したAIチップ駆動のオープンソースソフトウエア(SW)「PyTorch」を自社AIチップであるテンソル処理装置(TPU)に最適化する技術の開発に着手したと明らかにした。
PyTorchはAIチップの駆動に必要なプログラミングを開発者に代わって行うツールだ。世界中のAI開発者が使用しており事実上の標準といえるツールだが、現在はエヌビディアのチップに最適化されている。このため、開発者がエヌビディア以外のチップを駆動させるには新たなツールの使い方を習得する必要があり、これはTPUのエコシステム拡大を目指すグーグルにとって障害として作用していた。
グーグルはこれを解決するため、TPUでもPyTorchが円滑に連動するようにする社内プロジェクト「TorchTPU」を稼働させた。このプロジェクトが完遂すれば、開発者は従来使っていたPyTorchをそのまま用いながら、ハードウエアだけをエヌビディアのチップからグーグルのチップへと乗り換えられるようになる。グーグルはより多くの開発者を自社チップのエコシステムに呼び込むため、PyTorchとの互換性を高める技術の一部を開放する案も検討中だ。
とりわけグーグルのTorchTPUプロジェクトには、PyTorchを開発・管理するMeta(メタ)も緊密に協力していると消息筋は伝えた。Meta(メタ)は最近、グーグルと数十億ドル規模のTPU導入を協議しているとされる。両社が協力すれば、グーグルはクラウドサービスのシェアを高めAIチップの販売を伸ばすことができ、次世代AIである「超知能」の開発を宣言したMeta(メタ)はインフラ費用を節減できる。オンライン広告市場で激しく競う競合の両社が、エヌビディア牽制のために同盟を結んだ形だ。
グーグルクラウドの報道担当者は「開発者が選んだハードウエアに関係なく、必要な柔軟性と拡張性を提供することに注力している」と述べた。