「TikTokはソーシャルメディア（SNS）ではなく、毎日1億本以上の動画が新たに投稿されるコンテンツプラットフォームである。直近3年間でTikTokにおけるK-ポップ・K-ビューティー・K-フードなど韓国関連投稿の主要ハッシュタグ（#）が1300%急増し、韓国文化のグローバルな拡散と消費に寄与している」
チョン・ジェフンTikTokコリア運営総括は18日、ソウル江南区のCGV清潭シネシティで開かれた「2025 TikTokメディアデー」で「来年もTikTokは韓国のコンテンツと文化を世界市場に流通させる代表的なプロモーション（広報）プラットフォームへと生まれ変わる」と述べ、このように語った。
チョン総括は「Kカルチャーは特定地域での一過性の流行ではなく、多様な文化圏で同時多発的に成長しており、今後も成長を続ける」とし、韓国のコンテンツ知的財産権（IP）競争力とTikTokファンダムの参加を結びつけた協業モデルを作り、TikTokを通じた国内企業のグローバル進出を積極的に支援すると明らかにした。
TikTokが韓国を含む世界約70カ国のデータを分析した結果、直近3年間に作られたKカルチャー関連ハッシュタグ投稿のおよそ半分が過去12カ月以内に生成された。チョン総括は「一般的に再生回数が単純な消費を示す指標であるなら、ハッシュタグ投稿数はユーザーの参加を示す指標だ」とし、「動画を見るよりも作って投稿する方がはるかに大きな労力と真心、情熱が込められるため、ファンダムの積極性を確認するには投稿数を見るべきだ」と説明した。
実際、Kビューティーのハッシュタグは過去3年間に新たに投稿された200万件のうち半数に当たる100万件が直近1年の間に作られ、このうちKスキンケアは投稿の60%が1年以内に生成された新規投稿として集計された。KファッションとKフード、Kポップも関連投稿の約50%が今年に入って作られたことが分かった。
チョン総括は「韓国の食やファッション、音楽が単に関心を集める素材ではなく、世界の利用者が実際に食べ、身に着け、共有しながら拡散する参加の対象として定着したという意味だ」とし、「実際に米国のTikTokユーザーの86%、インドネシア・タイ・ベトナムなど東南アジアのユーザーの76%がTikTokを通じて韓国文化についてより多く知るようになったと答えた」と述べた。
こうした関心と参加は実際の消費にもつながっている。TikTokによると、TikTokの電子商取引（EC）プラットフォーム「TikTokショップ」でKビューティーなど韓国関連製品の販売は前例のない急激な成長局面にあるという。
マティ・リンTikTokコリア グローバルビジネスソリューション ゼネラルマネジャーは「TikTokは韓国ブランドとグローバル市場をつなぐ架け橋だ」とし、「具体的な数値は公開できないが、最近Kビューティーブランドが米国のビューティーカテゴリーで最も実績が良いブランドとして挙げられている」と述べた。
2021年にTikTokが披露したTikTokショップは、コンテンツ視聴から決済、配送まで可能なコマースプラットフォームである。ショートフォームコンテンツと連携したショッピング推薦などを通じて急成長した。インドネシアを皮切りに米国、英国、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピンなどに進出し、米国ではアマゾンに続きZ世代（1990年代半ば〜2000年代初頭生まれ）にとって3番目に影響力のあるショッピングプラットフォームとして浮上した。リンマネジャーは「TikTokショップは製品発見から購入、拡散へとつながるいわゆる『無限ループ』構造を通じ、差別化された購買体験を提供する」と説明した。
TikTokショップはまだ韓国市場に進出していないが、サムスン電子を含む数多くの企業が相次いで世界のTikTokショップに合流している。TikTokショップが米国と東南アジア市場で急速に成長しており、事業機会が大きいためだ。
リンマネジャーは「KブランドにとってTikTokショップは成長潜在力が大きい金鉱（gold mine）だ」とし、「2030年までにKウェーブ（韓流）が創出する事業機会は1980億ドル（約292兆ウォン）に達するだろう」と展望した。TikTokによると、TikTokショップでKビューティーやKフード製品を購入した経験があるユーザーは全体の53%に達し、66%のユーザーは今後TikTokショップで購入する意向があると調査された。
続けて「欧州、日本、南アメリカなどへTikTokショップを拡大する計画だ」とし、「この過程で韓国ブランドが進出を望むなら、現地でTikTokショップを開設できるよう支援する」と述べた。企業がTikTok内で製品を容易に告知し販売できるよう支援するクリエイター協業ツール「TikTokワン」とAIベースの「TikTokシンフォニー」も運用中である。
このほかTikTokは、プラットフォームの信頼と安全の強化に年間20億ドル（2兆8000億ウォン）を投資すると発表した。ヤン・スヨンTikTok東北アジア信頼安全チーム パートナーシップマネジャーは「信頼と安全分野の技術を開発し、コンテンツ審査・管理人員を強化した」とし、「青少年の年齢に合わせた保護装置を適用し、保護者が子どもの利用環境を管理できるファミリーペアリング機能を高度化した」と述べた。