「今回の人工知能行動計画（案）は、インフラと人材の確保、規制改革、産業支援など韓国の人工知能（AI）の土台を敷くことに相当部分を割いた。スピードが生命であるため、各課題ごとに期限を設定し、府省間の協議を強制する『ろうと戦略』も盛り込んだ。」
イム・ムニョン国家人工知能戦略委員会副委員長は15日、ソウル中区ソウルスクエアで開かれた「委員会発足100日記念」記者懇談会でこのように明らかにした。委員会はこの日「大韓民国人工知能行動計画（案）」を公開し、16日から翌年1月4日まで各界の意見を収れんする計画だ。
イム副委員長は「各府省が特定の事案について一定の期限内に必ず協議・調整に乗り出すようにする『ろうと戦略型』課題を多く入れた」とし「民間と公共がともに迅速に変化することに焦点を置き、民間ホワイトハッカーや民間クラウドのように民間の専門性と効率性を最大限活用する課題を盛り込んだ」と説明した。続けて「スピードが生命であるため、行動計画ごとに履行期限を明記した」と付け加えた。
国家人工知能戦略委員会は9月に発足した大統領直属のAI最上位戦略機構である。委員会は▽AI革新エコシステムの造成▽汎国家AI基盤の大転換▽グローバルAI基本社会への寄与の3大政策軸と12大戦略分野に沿って、98件の課題を盛り込んだ行動計画（案）を用意した。イム副委員長は「従前の宣言的な国家戦略と異なり、各府省がいつまでに何をすべきかを明記した『実行プラン』だ」と説明した。
イム副委員長はまずAI革新エコシステムに関して「先端グラフィックス処理装置（GPU）と国産AI半導体を土台に大規模・中小型データセンターをバランス良く拡充し、民間ホワイトハッカーを活用した常時のセキュリティ点検体制を導入して、コンピューティング・データ・セキュリティが完備されたAI高速道路を構築する」と述べた。
小・中・高校を連続させたAI必修教育体制の構築、府省別のAI人材育成事業の連携、AI学習に必要な個人情報・著作物の活用を支える法制度整備なども人工知能行動計画（案）に含めた。国家人工知能戦略委員会は汎国家AI基盤の大転換に向け、製造・コンテンツ・国防・行政など強みの分野でAX（AI転換）を加速し、AIネイティブの政府業務管理プラットフォームを導入して縦割り行政を減らす構想だ。判決文など公共データの開放、民間プラットフォームと連携したAI基盤の統合民願プラットフォームの構築、K-AI特化の実証都市の造成も推進する。労働・福祉・教育・基礎医療を包含する「AI基本社会推進計画」を用意し、アジア太平洋経済協力会議（APEC）のAIイニシアチブなどと連携する内容も盛り込んだ。
イム副委員長は「技術・産業・経済環境が急速に変化する以上、複数回の後続計画が出ざるを得ない」とし「各府省の履行状況を綿密に点検・調整し、実際の成果が出るよう支援する。来年の人工知能事業予算9兆9000億ウォンのうち新規事業（47.7%）は特に重点的に管理する」と述べた。
国家人工知能戦略委員会は人工知能行動計画（案）をホームページで公開し、産・学・研・市民社会および主要機関・団体の意見を聴取した後、第2次全体会議で最終案を確定する計画だ。