SKCは1月、米国ラスベガスで開かれた「CES 2025」で半導体用ガラス基板の試作品を展示した。/SKC

半導体用ガラス基板が、人工知能(AI)時代に技術的限界に達したパッケージング分野の課題を解決し得る中核素材として注目を集めている。サムスン電子・TSMC・インテル・AMDなど主要半導体メーカーは、集積度を高めるためパッケージ基板へのガラス素材の適用を検討中である。「ゲームチェンジャー」と呼ばれる半導体用ガラス基板を用いてAIチップの効率を高める狙いだ。早ければ2028年にはガラス基板が適用されたAIチップが商用化段階に入るとの見方も出ている。

半導体用ガラス基板メーカーは「量産体制」構築の手続きを本格化しているとみられる。韓国ではSKC(子会社アプソリクス)・サムスン電機・LGイノテックが半導体用ガラス基板の商用化に挑戦状を叩きつけた。ただし企業ごとに現在の事業化段階には差がある。SKCが最も先行し、サムスン電機・LGイノテックが差を詰めるべく追う構図だ。

14日、業界によると早ければ来年、韓国企業が作る半導体用ガラス基板の「初期量産品」が出る見通しだ。SKCとサムスン電機は現在、顧客企業に試作品を送りテストを進めている。両社は2026〜2027年に量産体制を稼働し、2027〜2028年には本格的なランプアップ(生産量増加)段階に入る計画を立てた。市場調査会社マーケットアンドマーケットによると、この市場は2028年に84億ドル(約11兆6000億ウォン)規模を形成する見通しだ。2023年の71億ドル(約9兆8000億ウォン)から約18%の成長が見込まれる。

◇ 「半導体用ガラス基板」が浮上した理由

半導体用ガラス基板の必要性はAIの性能向上とともに浮き彫りになった。AIサービスが拡散し、これを駆動する高効率・高集積・高性能の半導体がより多く必要になった。AIチップの性能は半導体パッケージ基板のサイズと関連している。一般的に半導体パッケージング基板は縦横100mmの製品が使われてきたが、AI・サーバー分野では140mm以上のサイズが求められている。問題は、現在広く使用されているプラスチック材質(有機)のパッケージング基板はサイズが大きくなるほど反りが生じる点である。こうした形状変形は半導体性能低下の原因となる。

2010年代から研究開発(R&D)を進めてきたインテルは、半導体パッケージング基板のコア層をガラスに替えれば縦横240mmまで拡大できると発表したことがある。ガラス基板は従来の有機素材に比べヤング率(modulus・材料の強度と弾性を示す物理量)が高く、高性能チップの実現に適しているというのがインテルの判断だ。

半導体基板は、中央処理装置(CPU)・グラフィックス処理装置(GPU)などの高性能チップと機器内部のメインボード(主基板)をつなぐ役割を担う。現在、高性能AIサーバーに活用される基板であるFC-BGAの場合、チップレット(高性能半導体の機能を複数に分割して製造し結合する技術)の適用と入出力(I/O)端子の増加で積層数が40層まで拡大した。一般PCで使用されるFC-BGAは10層水準だ。AIの性能に合わせるには、これらを有機的に接続する超微細回路を実装する必要があるが、ガラスは有機物より表面平坦度が高く、熱膨張係数が低いため有利である。また、冷えたり熱くなったりを繰り返すAIサーバーに搭載されても変形しにくい特性が、半導体用ガラス基板が注目される背景とされる。

一般FC-BGAとサーバー向けFC-BGAの構造比較。/サムスン電機

半導体用ガラス基板は利点が多いが、開発は容易ではない。外力に対する変形には強いが、一定水準を超えると割れやすい「脆性」を持つ素材であるためだ。これは、積層数が増えたAIチップの製造工程で頻繁になる「ドリリング」(基板ごとに微細な穴を開けて層間の電気的信号などを接続)工程に脆弱であることも意味する。

SKC・サムスン電機・LGイノテックは、こうしたガラス基板の課題を解決しつつ利点を生かせる技術開発を進めている。また、ガラス基板の適用分野の中でも市場性が高いFC-BGA分野の技術確保に優先的に集中している。プラスチック材質のFC-BGAコア層をガラスへ転換し、基板面積と積層数を高めてAI市場で成果を上げる狙いだ。

◇ 量産目前のSKC、検証を終えたサムスン電機、技術確保に動くLGイノテック

SKCは2021年、世界最大の半導体装置企業とされるアプライド・マテリアルズと合弁会社「アプソリクス」を設立し、半導体用ガラス基板市場への参入を急いでいる。アプソリクスは発足直後、スーパーコンピューター向けガラス基板の試作品を公開し、業界の注目を集めたこともある。

アプソリクスは昨年上半期、米国ジョージア州に世界で初めて半導体用ガラス基板の生産施設を構築し、現在、国内企業の中で最も商用化に近いとの評価を受けている。ここで生産した試作品をAMD・アマゾンウェブサービス(AWS)などに送り、性能を評価中と伝えられている。

アプソリクスは半導体用ガラス基板の量産時期を来年に定め、関連手続きを進めている。ユ・ジハンSKC最高財務責任者(CFO)は今年第3四半期の業績発表で「ジョージア州工場で今四半期に半導体用ガラス基板の量産サンプルを製作し、顧客企業の認証手続きに入った」「非常に肯定的なシミュレーション評価結果を確認しており、顧客企業と協議し来年の商業化を目標に取り組んでいる」と述べた。

今月初めには「インテル出身」のカン・ジホSKハイニックス副社長がアプソリクス新代表に選任された。業界では、崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長が半導体用ガラス基板事業を直轄しているだけに、商用化を早期に達成して市場の主導権を確保しようとする意志が反映されたとの評価が出ている。

サムスン電機はSKCの背中をぴたりと追っている。先月から日本の住友化学グループと、ガラス基板の核心素材であるグラスコア(Glass Core)製造のための合弁会社(JV)設立を検討している。この会社を通じ、2027年からガラス基板を量産する目標だ。世宗事業場に構築したパイロットラインで生産した試作品を顧客企業に送り、性能検証手続きを進めてもいる。試作品はAMD・ブロードコムなどに送付されたと伝えられている。

サムスン電機はガラス基板事業の強化に向けた人事も最近断行した。半導体基板を担当するパッケージソリューション事業部長に、中央研究所長のチュ・ヒョク(副社長)を任命した。サムスン電子システムLSI事業部・SAIT(旧サムスン総合技術院)などを経て、2023年末にサムスン電機に移り、半導体用ガラス基板のR&Dを主導したキーパーソンだ。前にはサムスン電機が8月、インテルで17年以上の経歴を積んだ半導体パッケージングの専門家、カン・ドゥアン主席エンジニアを副社長として迎え入れた。

サムスン電機の半導体用ガラス基板試作品。/サムスン電機

後発のLGイノテックは、半導体用ガラス基板部門を最高技術責任者(CTO)傘下の組織で担当している。試作品のための設備をR&Dセンターに整えたと伝えられている。会社はCTO組織で核心技術を確保し、顧客企業の需要が確認されれば、ガラス基板部門を事業部に移して生産設備の構築に乗り出す中長期戦略を固めている。

半導体業界の関係者は「ガラス基板はAIサービス拡大に伴う高性能チップ需要を受け、『選択ではなく必須』と受け止められている」と語った。

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