韓国政府が人工知能(AI)の国際協力を分野別に細分化し、米国・中国などと差別化した戦略を推進し、韓国を「アジア太平洋AIハブ」に育成する構想を打ち出した。
科学技術情報通信部は12日、世宗政府世宗コンベンションセンターで李在明大統領に2026年度の業務計画を報告し、この内容を盛り込んだAI・科学技術の政策方向を明らかにした。
科学技術情報通信部は来年上半期、製造・物流・造船など韓国の強みを持つ産業を中心に「フィジカルAI構築・拡散戦略」を策定し、2030年までにロボット・ドローンなどと結合した中核技術を独自に確保することを目標とする。対外的には、米国とはAI共同研究・サプライチェーン協力を、中国のうちフィジカルAIに強みがある分野とはロボット・ドローンなどの産業で協力するなど、国別のカスタマイズ型外交戦略も並行する。
アジア・太平洋地域の優秀な人材・スタートアップには創業・研究・居住空間とGPU中心のコンピューティング資源を提供して韓国を「アジア太平洋AIハブ」として造成し、海外の韓人AI人材には需要企業との連携など再定着支援を拡大する計画である。来年下半期にはAIの限界を超える超人工知能(ASI)に挑む次世代AI研究組織も発足させる。
AIインフラの側面では、GPUの代替として浮上した国産ニューラルネットワーク処理装置(NPU)を公共分野に本格導入し、国産NPUを活用した独自のファウンデーションモデル開発に3251億ウォンを投じる。国民成長ファンド・AI政策ファンドと連携してNPU企業へのカスタマイズ型エクイティ投資を推進し、いわゆる「K-エヌビディア・メガプロジェクト」形態の投・融資プログラムも検討中である。
認可だけで1年半〜2年かかるデータセンター構築期間を短縮するため、手続きの簡素化・規制特例を盛り込んだ「AIデータセンター振興特別法」の制定を推進する。
国民向けのAI教育・活用基盤も強化する。科学技術情報通信部はオンライン・オフラインの「AIラウンジ」を通じて全国民にAI学習の機会を提供し、年齢・職種別の特化カリキュラムを用意することにした。
また、次世代病院情報システム(PHIS)とマイデータを活用し、病院間の診療記録連携、AIに基づく疾病予測・救急対応が行われる「医療AI地区」を年内に選定し、国防・安全分野にも拡大する方針である。併せて、医療・製造・公共など分野別の人工知能転換を阻む規制を洗い出し、猶予・免除するなど先手を打って整備する計画である。