インテリジェント電力・センシング技術企業のオンセミは、業界標準であるT2PAKトップクール(top-cool)パッケージのエリートシリコンカーバイド(以下、EliteSiC)MOSFETを発売したと9日に発表した。T2PAKは高性能パワー半導体の効率的な冷却のための産業標準パッケージの一種である。MOSFETはゲートに加える電圧で電流の流れを制御する半導体素子を指す。
オンセミは今回の製品について「自動車および産業用アプリケーションの電力パッケージング技術を一段と前進させる」とし、「電気自動車・太陽光インフラ・エネルギー貯蔵システムなどの高電力・高電圧アプリケーション市場が求める、向上した熱性能・信頼性・設計の柔軟性を提供する」と伝えた。
T2PAKパッケージを採用したオンセミの650V・950V EliteSiC MOSFETは、シリコンカーバイド(SiC)技術とトップクールのパッケージング方式を組み合わせて製作した。会社は初期製品をすでに主要顧客に供給している。追加製品は年内に発売する計画である。
太陽光インバーター・電気自動車充電器・産業用電源装置といったアプリケーションの電力需要が増加するにつれ、効果的な熱管理は重要なエンジニアリング課題となった。従来のパッケージング方式では、熱効率とスイッチング性能のどちらかを選ばざるを得ない構造だった。オンセミのEliteSiC T2PAKソリューションは、PCB(printed circuit board)で発生した熱をシステムの冷却インフラへ直接かつ効率的に伝達し、この問題を解決した。
オギ・ジェキッチオンセミSiC部門副社長兼統括は「熱管理は今日の自動車および産業市場の電力システム設計者が直面している重要な課題の一つだ」とし、「オンセミのEliteSiC技術とT2PAKトップクールパッケージは優れた熱性能と設計の柔軟性を提供する」と述べた。