政府は繰り返されるIPカメラのハッキングと映像流出犯罪を防ぐため、製造・流通・利用の全段階でセキュリティ対策を強化する。IPカメラは有線・無線インターネットに接続され、他の機器へ映像送信が可能なカメラで、家庭や事業所、医療機関などで安全管理用途として活用されている。
科学技術情報通信部は個人情報保護委員会、放送メディア通信委員会、警察庁と共に、最近のIPカメラのハッキングと映像流出による被害の最小化に向け、2024年11月に発表した「IPカメラセキュリティ強化方案」の後続対策を策定し推進すると7日に明らかにした。
政府は関係部署合同で「IPカメラセキュリティ強化方案」を用意して政策課題を推進中だが、実際に国民が体感する政策効果が迅速に表れていないうえ、IPカメラのハッキングおよび映像流出犯罪が相次いで発生していることから、後続対策を用意したと説明した。
ハッキングに脆弱なIPカメラに対するセキュリティ対策の履行案内と被害者保護を推進する。最近、警察庁により検挙されたIPカメラハッキング容疑者らが侵入した12万余台のIPカメラが、単純な形式または攻撃者に知られたパスワードを使用しており、追加のハッキング被害にさらされているというのが政府の判断である。これにより通信事業者と協力し、IP情報に基づき迅速に利用者を識別してID/PW変更などのセキュリティ対策の履行を勧告することにした。
またIPカメラのハッキングによる被害者を保護するため、性搾取物の映像の削除・遮断、被害者の法務・医療・相談を支援し、高リスク・大規模映像流出の事業所に対する個人情報保護法違反の有無の優先調査を推進する。IPカメラのハッキングおよび映像流出、違法撮影物など性搾取物映像の販売・流通サイトの運営、当該映像の購入・所持など関連犯罪に対する捜査も強化する。
多様な利害関係者を対象としたカスタマイズ型の認識向上と、既存の利用環境に対する事前点検も推進される。多くの人が利用する施設などにIPカメラの設置を代行する業者が、設置・保守の過程で活用できる「IPカメラ設置・運用セキュリティガイド」を策定・配布し、オフライン説明会を開催して業者のセキュリティ対策履行力を確保する計画だ。
犯罪可能性が高い主要業種を対象に、個人情報保護法上の「安全性確保措置義務」を告知し、IPカメラのセキュリティ遵守事項も継続して案内することにした。
民間部門でも、病院やプールなど身体の露出が頻繁な生活密着施設のIPカメラは、セキュリティ認証を受けた製品を使用することを義務化する法律案の制定と、製品設計段階から複雑なパスワード設定機能などを搭載する法令改正を迅速に推進する。
あわせて既に発売された製品についても、複雑なパスワード設定機能の搭載が適用されるよう、製造会社と協議していく計画だ。
科学技術情報通信部のチェ・ウヒョクネットワーク政策室長は「韓国内で脆弱な状態で運用中のIPカメラに対するセキュリティ対策が何より重要であることから、IPカメラを利用する国民には必ずID/PW変更などのセキュリティ対策を履行してほしい」と述べ、「関係部署と協力し、国民生活と直結するIPカメラの安定性確保に向け責任を果たす」と語った。