アマゾンウェブサービス(AWS)は4日(現地時間)、『AWS re:Invent 2025』で人工知能(AI)モデルのカスタマイズにおける参入障壁を下げる新機能を公開した。
アマゾンベドロック(Amazon Bedrock)とアマゾンセージメイカーAI(Amazon SageMaker AI)に強化学習ベースのカスタマイズ機能を追加し、機械学習の専門知識がない開発者でも高度なモデルチューニングを容易に実行できるようにした。
AI企業の主要課題は効率性である。大規模モデルを稼働させると高いコストと遅い応答速度が伴う。AWSはこうした非効率を減らすため、頻繁に反復される単純業務を実行する際には小規模モデルを活用するよう支援する「カスタム小型モデル戦略」を提示した。
AWSはそのためにアマゾンベドロックに「RFT(Reinforcement Fine Tuning・強化学習を利用した微調整)」機能を導入した。RFTは従来の強化学習における複雑なパイプラインと人間のフィードバック工程を自動化し、開発者がデータセットと報酬関数を指定するだけで自動的にモデルが微調整される。AWSによると、RFTは基盤モデル比で平均66%の正確度向上を示し、アマゾンノバ2ライト(Nova 2 Lite)モデルから適用される。セールスフォース(Salesforce)はRFT導入後、自社AIエージェントの性能が最大73%向上したと明らかにした。
一方、セージメイカーAIには「サーバレス強化学習ベースのモデルカスタマイズ」機能が追加された。従来数カ月かかっていたモデルチューニングを数日で完了できるよう自動化したものだ。開発者は、エージェントが全工程を案内する「エージェンティック(agentic)」モードと直接制御する「セルフガイド(self-guided)」モードのいずれかを選べる。両方式ともAIフィードバックベース強化学習(RLAF)、検証可能な報酬学習、教師あり微調整、直接選好最適化(DPO)などの高度手法を支援する。この機能はアマゾンノバだけでなく、ラマ(Llama)、クウェン(Qwen)、DeepSeek(ディープシーク)などの公開重みモデルとも互換である。
AWSは「いまやあらゆる規模の組織がカスタムAIをより容易かつ迅速に構築できる時代が開かれた」と述べ、「AIの効率性とアクセス性を同時に高めることが目標だ」と強調した。