生成型人工知能（AI）エージェント市場でマイクロソフト（MS）は、コパイロットに対する鈍い市場反応を受け、最高位（Cレベル）経営陣を前面に出して利用者拡大に動き出した。チョ・ウォヌ韓国MS代表はもちろん、レイ・ヤップ（Ray Yap）最高財務責任者（CFO）がソーシャルメディア（SNS）広告に登場し、企業向け「365コパイロット」を直接紹介している。
コパイロットはAIベースの生産性ツールである。MSのコパイロットは、企業向けAIエージェントである「365コパイロット」と個人向け「コパイロットAIアシスタント」に分かれる。とりわけ企業向けは、OpenAI「GPT-5」ベースの大規模言語モデルを通じて、MSワード、エクセル、パワーポイント、アウトルック、チームズなどが365コパイロットアプリケーションに統合され、下書き作成、データ分析、インサイトの導出、スライドの自動生成、メールの下書き作成および要約、会議の要約、会議の要点整理などを支援するAIエージェントである。
経営陣まで直接広告に出演するのは、苛烈な生成型AI市場で利用者を増やすことが容易ではないためである。
4日、ワイズアプリ・リテールによると、先月の韓国人が最も多く使った生成型AIアプリの順位で、MSの個人向けAIエージェントである「コパイロットAIアシスタント」は月間アクティブユーザー（MAU）が30万人で9位にとどまった。10位のDeepSeek（ディープシーク）（27万人）と3万人しか差がない。1位はMAU2162万人を記録したChatGPTが占めた。続いてパープレクシティ（184万人）、エイドット（180万人）、ルイテン（162万人）、グロック（98万人）、イクシオ（54万人）、クロード（48万人）、グーグルGemini（42万人）が続いた。
ただし、「コパイロットAIアシスタント」はMAUが着実に増えている。データテック企業IGAworksのモバイルインデックスによると、「コパイロットAIアシスタント」はMAUが2024年11月の12万5524人から4月に15万9114人へと増加した後、13万〜15万人水準を維持している。一方で、企業向けの「365コパイロット」はMAUが2024年11月に365万8879人を記録した後、今年3月には374万人台へ拡大したものの、11月には308万人台へ鈍化している。
ITメディアのジ・インフォメーションは3日（現地時間）、6月に終了した2025会計年度基準でMSがエージェントなどAI製品の販売が目標に届かず、部門別に当該製品の販売目標を下方修正したと報じた。ジ・インフォメーションは「エージェントが人間に代わってタスクを遂行できるとはいえ、これを活用した際に生じるコスト削減効果を正確に測定しにくいため、企業顧客がAIエージェント製品の導入をためらっている」と述べた。ただしこれに対し、MSの広報担当者はCNBCに「AI製品の販売割当総量は下方修正されていない」と語った。
昨年、プライベートエクイティのカーライルは会議要約と財務モデル作成のためにコパイロットを導入したが、AIが外部アプリのデータを適切に抽出できず、困難を経験した。結局カーライルは最近コパイロットツールに支出するコストを削減した。
韓国MSの関係者は「韓国市場で企業向けコパイロットに注力しており、企業顧客も急速に増えている」と語った。