サムスン電子華城市事業場の全景。/サムスン電子提供

サムスン電子と欧州最大級の半導体企業であるSTマイクロエレクトロニクスが2014年から開始したFD-SOI(完全空乏型シリコン・オン・インシュレータ)技術の協力が自動車、宇宙産業分野へと広がっている。最近、STマイクロがイーロン・マスクの宇宙探査企業「スペースX」に供給する次世代マイクロコントロールユニット(MCU)を発売し、共同で技術を開発したサムスン電子も超高性能・低消費電力MCU分野で確固たる地位を固めることになった。

1日、業界によるとサムスン電子はSTマイクロとの技術提携を通じてFD-SOI技術と組み込みメモリー(内蔵型メモリー)、パッケージング技術を統合し、自動車、モノのインターネット(IoT)に加え宇宙産業向けチップのファウンドリー技術を確保した。この技術は顧客企業の要件に合わせたカスタム技術であり、サムスン電子ファウンドリー事業部の中長期の収益構造の一角を担うとみられる。

FD-SOI工程は、平たく言えば電気の漏れを防ぐ極薄の絶縁層を敷いて作る半導体プロセスである。一般的な半導体はシリコン基板の上にトランジスタを載せるが、このシリコンの下に電気が漏れるリーク(leakage)問題が生じる。FD-SOIは非常に薄いガラス板のような絶縁層を敷き、その上にシリコンとトランジスタを配置する構造だ。これにより超低消費電力、低発熱のチップが可能になる一方、ボディバイアシング(body biasing)という性能ブースター機能を搭載できる。電圧をごくわずかに調整して性能を引き上げるなど、用途に合わせた「チューニング」が容易という強みがある。

STがスペースXに供給する宇宙産業向けチップ「STM32V8」も、サムスン電子とSTが共同開発したFD-SOI工程で生産される。このチップは低軌道(LEO)環境で要求される高信頼性・高速データ処理能力を満たし、スペースXのスターリンクのレーザーシステムに適用された。今回の供給を踏まえ、STだけでなくサムスンのファウンドリーの顧客基盤も自動車、IoTに続き宇宙・航空分野へ拡大する足場を築いたとの評価である。

現在の世界ファウンドリー市場は二極化が進んでいる。2ナノ工程を含む最先端市場では、FinFETからGAA(ゲート・オール・アラウンド)といった超微細化への移行が進む。一方で高い信頼性が求められる成熟工程分野では、FD-SOIのような超低消費電力技術と、それを土台とするパッケージング技術が焦点になっている。サムスン電子は2ナノ分野ではTSMCと競争しており、成熟工程でもSTとの協力を基盤に市場を広げている。

ファウンドリー業界の関係者は「FD-SOIは成熟工程の半導体分野で低コストでカスタムチップを設計・生産できるため、着実な売上を上げられる安定的な市場だ」と述べ、「サムスン電子とSTは長年の協力を基に、コスト効率に優れつつも自動車、IoT、宇宙産業分野に特化した超低消費電力、メモリー統合のシステムオンチップ(SoC)などへと改良し、顧客基盤を確固として固めている」と説明した。

サムスン電子は昨年から、従来28ナノで運用していたFD-SOI工程を18ナノへ一段進化させ、MRAMを内蔵型メモリーとして統合する技術を安定化した。この工程は、向上した電力効率とメモリー密度、デジタル密度、RF性能、アナログ・デジタル周辺回路の統合能力が強みで、昨年STにサンプルを提供し、今年下半期からは本格量産に入った。

サムスン電子とSTの協力は、最先端工程というよりはレガシー(成熟工程)市場で堅実なキャッシュカウを狙っている。サムスン電子の関係者は「自動車用パワー半導体工程(BCD工程)、内蔵型MRAMを含むSoCソリューションの提供を通じて、高信頼性、低消費電力、統合性が求められる自動車、IoT、産業用市場を攻略している」と語った。

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