エヌビディアなどビッグテックが出資したヒューマノイドロボットのスタートアップ、フィギュアAIが、安全問題を指摘した社員を解雇したとして訴えられたことが分かった。
22日（現地時間）の米経済メディアCNBCなどの報道によると、フィギュアAIで安全責任者を務めたエンジニアのロバート・グルンデルは前日、カリフォルニア北部連邦地裁に同社を相手取って訴訟を提起し、この会社が開発したロボットは「人間の頭蓋骨を骨折させるほど強力だ」と主張した。
グルンデルの弁護団は、グルンデルが「最も直接的で文書化された安全問題を提起してから数日後」にあたる9月に解雇されたと述べた。
弁護団は、グルンデルがフィギュアAIの最高経営責任者（CEO）であるブレット・アドコックと主任エンジニアのカイル・エデルバーグに対し、ロボットの致死的能力について警告し、あるロボットが不具合を起こしている間に「鋼鉄製の冷蔵庫の扉に4分の1インチ（約0.6cm）の深さの傷を付けた」との内容も報告したと明らかにした。
グルンデルはまた、会社側が投資家に開示した製品安全計画が資金調達ラウンドの終了直後に廃棄された点を指摘し、「これは詐欺行為と解釈され得る」との懸念を表明したと述べた。
弁護団は、経営陣がグルンデルのこうした懸念を障害物扱いし、曖昧な事業方針の変更を口実に解雇したと主張した。
グルンデルは経済的損害に対する補償とともに懲罰的損害賠償を請求し、裁判所に陪審裁判を求めた。
これに対しフィギュアAIの報道担当者はCNBCに送ったメール声明で、グルンデルは「低調な業務成績により解雇された」として、その主張は虚偽だと反論した。
グルンデルの弁護士は声明で「この事件はヒューマノイドロボットの安全に関する初の内部告発案件の一つとなり得る」とし、「グルンデルは、ロボットを性急に市場投入しようとするアプローチが公衆にもたらす明白な危険が、今回の司法手続きを通じて明らかになることを期待している」と述べた。
フィギュアAIは昨年初めの資金調達ラウンドで、エヌビディアをはじめマイクロソフト（MS）やアマゾン創業者のジェフ・ベゾスなど、テック業界の大物投資家から資金を調達した。
また今年9月に追加で実施した資金調達ラウンドでは、企業価値が昨年比約15倍増の390億ドル（約57兆ウォン）水準と評価された。