足もとで汎用メモリー半導体の価格が急騰し、世界の電子業界で原価負担が増している。人工知能(AI)インフラ拡大に伴い高帯域幅メモリー(HBM)の生産比率が高まった結果、汎用DRAMとNAND型フラッシュの供給が減少し、その影響がスマートフォン・PC・ノートパソコンなど主要完成品メーカーのコスト圧力につながっている。
20日、調査会社トレンドフォースによると、今年第3四半期のDRAM固定取引価格は前年同期比171.8%急騰した。主要サプライヤーが在庫圧縮を理由に出荷を調整し、旧型DRAMの価格が新型より高く取引される逆転現象も生じた。NAND型フラッシュも品薄が続いており、512Gb TLCウエハのスポット価格は先週に17%以上上昇した。
韓国の消費者向け価格もこの2カ月で急騰した。価格比較サイト「ダナワ」によると、サムスン電子DDR5-5600 16GB製品は9月に約6万9000ウォンだったが19日時点で20万4000ウォンと約3倍になった。SKハイニックスの1TB SSD価格も同期間に24%上昇した。業界はメモリー価格の比重がノートパソコンの製造原価で10〜18%から来年には20%以上に拡大すると見込んでいる。
スマートフォン部品の価格も同様の動きだ。業界によると、今年第3四半期のモバイルDRAM(LPDDR5)価格は前年比約15%上昇し、アプリケーションプロセッサー(AP)・カメラモジュールの価格もそれぞれ9.0%、11.3%上がった。PC・ノートパソコンとスマートフォンの双方でメモリーと中核部品の価格が同時に上昇し、メーカーのコスト構造を圧迫する状況だ。
スマートフォン市場の比重が大きいインド・中国では、消費者価格の調整がすでに始まっている。インドではサムスン電子・オッポ・ビボが「ギャラクシーA17」「F31」「T4x」などの普及機種の出荷価格を最近最大2000ルピー(約3万3000ウォン)引き上げた。部品不足が続く場合、次世代モデルでは最大6000ルピー(約10万ウォン)の値上げ可能性も取り沙汰されている。
中国でもシャオミが前作より300元(約6万ウォン)高い価格で「レドミK90プロマックス」を発売した。レイ・ジュン最高経営責任者(CEO)は「部品の単価上昇を反映しないわけにはいかない」と語った。
サムスン電子とアップルも来年のフラッグシップ製品の出荷価格引き上げを検討しているとされる。サムスン電子は「ギャラクシーS23」シリーズ以降3年間、出荷価格を据え置いてきたが、部品コストと為替の負担が同時に増している。アップルもiPhone向けチップを供給するTSMCから最近、供給価格の引き上げ通知を受けたとされる。トレンドフォースは「メモリー価格が強い上昇局面に入っており、これにより最終製品の小売価格を押し上げ、消費者と市場に衝撃を与えるだろう」と述べた。
原価負担の拡大は米国株式市場でも確認されている。メモリー価格上昇の恩恵が見込まれるマイクロンとサンディスクは足もとで堅調だが、デルやHPなど完成品メーカーの株価は17日(現地時間)にそれぞれ8%、6%台下落した。市場ではメモリーコストの増加が収益性鈍化への懸念につながったと解釈している。
原価上昇が電子機器の消費市場の萎縮につながるとの悲観論も強まっている。トレンドフォースは来年のスマートフォンとノートパソコンの価格が1割前後上がる可能性があると見通し、価格感応度の大きい普及帯市場で需要が強く鈍化する可能性を指摘した。
トレンドフォースはまた「今年第4四半期のDRAM契約価格は75%以上上昇する見通しで、DRAMとNAND型フラッシュの価格上昇は続く」とし、「2026年にはスマートフォンの製造原価が今年比で5〜7%以上増加する見込みだ」と明らかにした。ノートパソコンもメモリー価格の急騰で来年の原価が10〜12%上がると予想され、完成品の価格圧力は当面続く見通しだ。