サムスン電子のファウンドリー事業部がテスラなどのビッグテック企業だけでなく、米国・日本・中国・韓国の中小型ファブレスとの協業を拡大し、顧客基盤を広げている。数年間にわたり兆単位の赤字が続いた同事業部の体質改善の必要性が指摘されてきたなか、足元で顧客群の多様化の流れが鮮明となり、業績改善への期待も高まっている。

サムスン電子が米テキサス州テイラー市で建設中の先端ファウンドリー(半導体受託生産)工場。/サムスン電子提供

17日、関連業界によると、サムスン電子は最近、米国の人工知能(AI)スタートアップであるチャボライトのオムニ・プロセッシング・ユニット(OPU)チップを4ナノ(SF4X)工程で生産し始めた。OPUはCPU(中央処理装置)・GPU(グラフィックス処理装置)の演算要素を統合し、AI・高性能演算を処理する次世代プロセッサである。サムスン電子は昨年末から高性能向け第4世代4ナノ(nm・1ナノ=10億分の1m)ラインの量産を推進してきた。

サムスンはこれに先立ち、テスラ・アップルと2ナノ工程に基づく協力を進めている。国内ではAIファブレスのディペックスと自動運転半導体企業のアンブレラがサムスンの先端工程を選択しており、日本のプリファード・ネットワークス(PFN)も2ナノベースの新規受注を委ねるなど、顧客群が拡大している。AIの拡大で高性能チップ需要が増加し、先端工程の顧客群がビッグテックから中小型ファブレスにまで広がっているとの分析である。

中国でも新たな需要が流入している。暗号資産のマイニング事業者であるマイクロBTとカナンはサムスン電子に2ナノの特定用途向け集積回路(ASIC)の生産を委託しており、マイクロBTの数量はすでに量産段階に入ったとされる。ASICは特定用途に最適化されたチップで、マイニング用ASICは回路構造が単純なため、初期の先端工程で稼働率を確保しやすいとの評価がある。

グローバルなファウンドリー供給構造の変化もサムスン電子への需要移動を後押ししている。

市場調査会社トレンドフォースによると、TSMCは今年第2四半期時点でグローバル・ファウンドリー市場のシェア70.2%を記録し、圧倒的な首位を維持している。アップル・エヌビディアなど大口顧客を中心に3ナノラインを運営しているが、先端工程はすでにフル稼働に近く、新規の数量を受け入れにくい状況が続いている。このため中小型ファブレスは納期・価格の負担が増し、相対的に余力のあるラインと価格の柔軟性を確保したサムスン電子が「代替」として浮上しているとの評価だ。

サムスン電子は今年、営業・技術の両面で受注拡大に速度を上げている。会社は3月、TSMC出身のマーガレット・ハン副社長を米国ファウンドリー営業総括に任命し、北米営業を強化した。技術の安定化も顧客流入の背景に挙がる。サムスン電子は2022年、世界で初めて3ナノにGAA(ゲート・オール・アラウンド)工程を適用したが、当初は歩留まり不振で顧客離れも経験した。その後サムスンは技術の安定化を優先し、2ナノの歩留まり改善に注力してきており、最近公表した第3四半期の四半期報告書で2ナノ工程の性能改善値を初めて明示し、技術進捗の状況を市場に示した。

価格要因もサムスンへの顧客移動を促している。TSMCの次世代工程の値上げ可能性が取り沙汰されるなか、サムスンは相対的に柔軟な価格条件と供給対応力を提示し、新規受注を確保しているとの分析である。テスラが次世代AI6チップの相当量をサムスンに委ねた決定にも、こうした要素が反映されたと業界はみている。

ただし今後サムスンの業績回復の可否は、2ナノの歩留まり安定化にかかっているというのが業界の見方である。一般に歩留まり60%以上を量産適合の基準とみなす。半導体業界の関係者は「サムスンが2ナノの歩留まりを一定水準まで引き上げれば、第4四半期から稼働率の正常化の流れが可視化される可能性がある」と述べ、「AI・マイニング・自動運転など新規ファブレスの需要が続くなか、先端工程を基盤とした外形拡大も可能だ」と語った。

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