IBMが120キュビットプロセッサ「Quantum Nighthawk」公開し2026年量子優位目指す

IBMは12日（現地時間）に開催した年次の量子開発者カンファレンスで、最先端の量子プロセッサ「IBM Quantum Nighthawk（IBM クアンタム・ナイトホーク）」を公開した。

このプロセッサは、2026年までに量子コンピューターが従来のスーパーコンピューターより優れた問題解決能力を示す「量子優位」に到達できるよう設計された。120個のキュビットと218個の次世代チューナブル・カプラー（tunable coupler）で接続されたナイトホークは、既存プロセッサより30%複雑な回路を低いエラー率で正確に実行できる。

この日IBMは、2026年までに量子優位を達成し、2029年までにフォールトトレラントな量子コンピューティングを実現するための中核技術の革新を発表した。またIBMは、量子ソフトウェア、ハードウェア、製造、誤り訂正技術を迅速に開発し、量子時代への移行を主導すると明らかにした。

またIBMは、フォールトトレラントな量子コンピューティングに向けた技術開発も加速している。今回公開した「IBM Quantum Loon（IBM クアンタム・ルーン）」は、実用的で高効率な量子誤り訂正のための中核要素を実装した実験用プロセッサであり、量子コンピューターのエラーをリアルタイムに正確にデコードできる技術を示した。

IBMは2026年までの量子優位達成にとどまらず、2029年までに大規模なフォールトトレラント量子コンピューターの構築を目標に研究を継続する予定だ。これに向けIBMは、300mm製造施設を活用して量子プロセッサのウェハー生産を加速し、キュビットの接続性と性能の向上に注力している。