デザイナー、アーティスト、インフルエンサーなど世界のクリエイターの10人中8人が生成型人工知能(AI)を活用して創作活動を行っているとの調査結果が出た。
フォトショップで知られるグローバルソフトウェア(SW)企業のアドビは4日に発表した「クリエイターズ・ツールキット・レポート(Creators' Toolkit Report)」で、クリエイター1万6000人を対象に実施したアンケートの結果、回答者の81%が「AIを活用して従来は制作できなかったコンテンツを作れるようになった」と答えたと明らかにした。
今回の調査は韓国、米国、英国、フランス、ドイツ、日本、インド、オーストラリアなど世界のクリエイターを対象に実施し、クリエイティブ生成型AIとモバイルツールをコンテンツ制作過程でどのように活用しているかを把握した。アドビによると、クリエイティブ生成型AIは画像・映像・オーディオ・デザインなどのコンテンツを構想し生成し編集することを支援するよう特別に設計されたモデルを意味する。
調査の結果、回答者の76%は生成型AIを使って事業やソーシャルメディア(SNS)のフォロワー成長速度が速くなったと答え、85%は生成型AIがクリエイター経済全般に肯定的な影響を及ぼしたとの見方を示した。
クリエイターの86%はクリエイティブ生成型AIを積極的に活用していることが分かった。クリエイティブ生成型AIの主な活用分野は編集・アップスケーリング・品質向上(55%)、画像や映像など新しいアセットの生成(52%)、アイデア構想およびブレインストーミング(48%)などとされた。
彼らは一つのツールだけに依存していなかった。回答者の60%は直近3カ月以内に一つ以上のクリエイティブ生成型AIツールを併用したと答えた。
コンテンツ制作においてモバイルツールとプラットフォームの重要性も高まっている。クリエイターの72%はモバイルでコンテンツを制作しているとされた。モバイルツールが進化するなか、クリエイターの75%は来年モバイルでより多くのコンテンツを制作すると予想した。アドビ関係者は「クリエイターは今や撮影や編集を越え、コンテンツ制作の始まりから終わりまでモバイルツールを活用する」と述べた。
韓国のクリエイターの場合、回答者の81%が自身のコンテンツが無断でAIの学習に活用され得る状況を懸念していることが分かった。これはグローバル平均の69%を大きく上回る数値だ。
クリエイターは個人的な調査(58%)、ソーシャルメディアのトレンド(57%)、他のクリエイターの推薦(41%)を通じて新たなクリエイティブ生成型AIツールを積極的に検索し試用すると答えた。
AI導入における主な障壁としては高い費用(38%)、信頼できない成果物の品質(34%)、AIモデルの学習方式に対する不確実性(28%)などが挙がった。
世界のクリエイターの70%はエージェンティックAIの潜在力について楽観的または期待感を持っていた。この比率は韓国のクリエイターが82%でグローバル平均より高かった。
全回答者の85%は自身の創作スタイルを学習するAIの使用を検討中だと答えた。最も好まれる活用事例は反復作業の自動化(51%)、コンテンツアイデアのブレインストーミング(50%)、コンテンツ成果のインサイト提供(44%)の順だった。
マイク・ポルナー(Mike Polner)アドビのクリエイター製品マーケティング部門担当エグゼクティブバイスプレジデントは「今日のクリエイターはクリエイティブ生成型AIを受動的に使うのではなく、信頼できるツールを意図的に選別している」と述べ、「今回のグローバルレポートによれば、76%のクリエイターが生成型AIはクリエイター経済に肯定的な影響を与え、新規オーディエンスの獲得や事業拡大、創造的表現の拡散に役立つと答えた」と語った。
続けて「柔軟性、制御、信頼に基づき、クリエイターの手にクリエイティブな決定権が完全に残るよう設計されたAIツールを開発している」と付け加えた。