サムスン電子のフォルダブルフォンであるGalaxy Zシリーズは、Galaxy Sシリーズより中古での減価率が高いとの調査結果が出た。業界は、フォルダブルというフォームファクター(機器形状)が一般的なバー型スマートフォンより耐久性に劣り、修理費が高いため価値下落率が高いと解釈した。
4日、米国のスマートフォン中古取引プラットフォームであるセルセル(SellCell)がサムスン電子のフォルダブルフォンシリーズの中古減価率を分析した結果、Galaxy Zシリーズ(Flip、Fold 2〜7)の価値は発売から6カ月後に平均63.7%下落した。同期間にGalaxy Sシリーズ(21〜25)は48.3%の下落にとどまった。セルセルは「フォルダブル市場を主導するサムスン電子が中古取引市場では相対的に弱含みだった」と分析した。
◇一度落としただけで画面に黒い線…修理費は大きく差
セルセルはフォルダブルフォンの減価率が高い理由として、耐久性の問題と修理費負担を挙げた。半分に折りたためる構造のため画面の修理費が一般的なスマートフォンより高く、その結果として中古の買い取り価格と再販売価値が下がるということだ。さらに、フォルダブル市場はまだ新製品中心で形成されており、中古取引の需要が限定的だと分析した。サムスン電子は毎年、新たなGalaxy Zシリーズのスマートフォンを発売している。
実際、Galaxy Zシリーズの修理費とGalaxy Sシリーズの修理費には4倍以上の差があることが分かった。サムスン電子のサービスセンターを通じ、7月に発売されたFold7のフロントディスプレイ修理費を問い合わせたところ、既存部品の回収を条件に76万ウォンかかるとの回答を得た。Flip7の場合、同一条件で修理費は53万ウォン程度であることが分かった。1月に発売されたGalaxy S25の一般モデルは18万ウォンでメインディスプレイを修理できた。
サムスン電子の利用者が集まるオンラインコミュニティでは、フォルダブルフォンの耐久性への指摘が続いている。Fold7を使っているとするあるネット利用者は「耐久性を考えるならバー型スマートフォンを使うのが正しい」とし、「先日携帯電話を落としたところ、カバーを付けていたにもかかわらずヒンジ(蝶番)部分に衝撃が加わり、画面に黒い線が生じた」と語った。
セルセルは「現在、一般的なスマートフォンが消費者とリセラー双方にとってより安定的な選択肢とされる」とし、「リファービッシュ(再生)工程が簡単で、予測可能な中古価格の形成と堅調な需要の維持が理由だ」と説明した。
◇メーカー、ASPが高いフォルダブルフォンは手放せない
主要スマートフォンメーカーはフォルダブルフォンの開発を継続している。ハードウエア技術革新の象徴であると同時に、一般モデルより価格が高くASP(平均販売単価)を引き上げられるためだ。実際、今年第3四半期のサムスン電子のスマートフォン事業のASPはFold7の人気に支えられ304ドル(43万2000ウォン)を記録した。昨年第3四半期(295ドル)と今年第2四半期(270ドル)に比べ、それぞれ3%、12%上昇した水準である。
サムスン電子は自社初となる画面を2回折る製品「トライフォルドフォン」を年内に発売する予定である。ファーウェイはすでに昨年9月にトライフォルドフォンを披露している。アップルもフォルダブルフォンを開発中とされる。
市場調査会社カウンターポイント・リサーチは「フォルダブルスマートフォンはグローバルのスマートフォン出荷台数の2%未満にとどまるが、ASPを押し上げている」とし、「昨年357ドル(約50万ウォン)だったASPが今年370ドル(約52万ウォン)、2029年には412ドル(約57万ウォン)に達する」と述べた。