米国の軽油価格が史上初めてガロン当たり6ドルを上回った。トラック輸送と配送コストが上昇し物価上昇圧力が高まり得るため、11月の中間選挙を控えるドナルド・トランプ大統領と共和党にも負担となる見通しだ。
10日(現地時間)ロイターによると、米国の石油価格情報会社ガスバディはこの日、米国の全国平均軽油価格が史上初めてガロン(1ガロン=3.79L)当たり6ドルを突破したと明らかにした。
軽油価格は今月に入ってから相次いで最高値を更新した。3日にはガロン当たり5.87ドルを記録し、2022年に付けた従来の最高値5.82ドルを上回り、9日には5.90ドルまで上昇した。2月末にイラン戦争が始まった当時と比べると61%上昇した。
イラン戦争とウクライナによるロシア製油施設攻撃で国際原油価格が上昇するなか、軽油の供給まで不足した結果とみられる。
この日、11月渡しのブレント原油は1バレル=107.63ドル、10月渡しのウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は102.48ドルで取引を終えた。両原油とも5月中旬以降の最高値を記録した。
米国内の軽油在庫も例年より不足している。米エネルギー情報局(EIA)によると、軽油在庫は1億0630万バレルで、直近5年平均より13%少なかった。
原油を精製して軽油など石油製品を生産する際に得られる利益を示すクラッキングマージン(クラックスプレッド)は1バレル=112.17ドルで史上最高値を記録した。供給不足により軽油をはじめとする石油製品価格が原油より急速に上がったことを意味する。
ガソリン価格も大幅に上昇した。米国自動車協会(AAA)によると、米国の全国平均ガソリン価格はガロン当たり4.20ドル前後で、1年前の3.19ドルより32%上がった。
軽油価格の上昇はトラック輸送と配送費を経て商品価格全般に影響を与え得る。生活費負担への有権者の不満が高まるなかで燃料費まで急騰し、11月の中間選挙を控えるトランプ大統領と共和党の負担も一段と増す見通しだ。
ガスバディのアナリスト、パトリック・デハーンは「すべてのトラック輸送と配送、小包・宅配、買い出しにさらに多くの費用がかかるようになった」と述べ、「史上最高水準の軽油価格はサプライチェーン全般でインフレを再び誘発する可能性が大きい」と語った。