イランがホルムズ海峡の入り口で米国の軍用無人潜水艇を確保し、これをリバースエンジニアリングして自国の武器開発に活用し得るとの観測が出ている。イランは15年前にも米国のステルス無人機(ドローン)を確保した後に逆設計したと主張し、類似の形態の自国製ドローンを公開したことがある。

ホルムズ海峡の入り口で確保された米国の無人潜水艇。/ロイター通信

9日(現地時間)、ロイター通信は、イランが確保した米軍の自律無人潜水艇(AUV・水中ドローン)「ダイブ-LD(Dive-LD)」を分析し、機械システムなどを逆設計する可能性があると、専門家の見解を引用して報じた。

ダイブ-LDは米国防衛企業アンドゥリル(Anduril)が開発した大型水中ドローンである。長距離監視をはじめとする水中任務を遂行するよう設計され、人の介入をほとんど受けないまま数日間作戦を遂行できる。アンドゥリルはダイブ-LDが最大10日間運用可能だと説明してきた。

米海軍によると、今回イランが確保したダイブ-LDは作戦中に故障を起こして海上で停止し、イラン軍に回収された。米中央軍司令部の報道官であるティム・ホーキンス海軍大佐は「このドローンは機微なデータを収集しておらず、軍事機密に分類されるソナー(sonar・音波を水中に送信し反射信号を分析して潜水艦・船舶・水中物体の位置や距離などを探知する装置)やレーダー装置も搭載していない旧型モデルだ」と明らかにした。

米軍は当該ドローンがイランに渡ったことによる影響を小さく見せようとしているが、専門家はイランがダイブ-LDを分解して内部ハードウェアを調べ、機械システムを逆設計する可能性があるとみている。自国の水中ドローン開発に活用できるという意味である。

ブライアン・クラーク・ハドソン研究所国防概念技術センター上級研究員兼センター長は、ダイブ-LDのソフトウエアにはこれを保護するための防御装置が内蔵されており、イランが活用するのは容易ではないとみた。ただし、ドローンの構造や駆動方式など機械システムについては「明確に逆設計できる」と分析した。

パルジン・ナディミ・ワシントン近東政策研究所上級研究員は「イランは当然ながらこれを宣伝の機会として利用するだろう」と述べ、「イラン革命防衛隊(IRGC)が自国の無人潜水艇設計を改善するのに役立つ可能性がある」と語った。

このように専門家がイランの水中ドローン逆設計の可能性を提起する背景には過去の前例がある。イランは2011年に米国のRQ-170センティネル・ステルス偵察ドローンを確保した。当時、バラク・オバマ米大統領はイランに対し機体返還を公開で要求した。しかしイランはその後、RQ-170を逆設計したと主張し、当該機体のデザインを相当部分で模したとみられる自国生産ドローンを公開した。

その後、米国は無人装備がイランに渡るのを防ぐため積極的に対応してきた。2022年、イラン海軍艦艇が湾岸海域で米軍が運用していた無人水上艇「セイルドローン(Saildrone)」を曳航しようとしたところ、米海軍は哨戒艦とMH-60Sシーホークヘリコプターを投入した。

専門家は、今回のダイブ-LD確保だけでイランが決定的な軍事的影響力を得るのは難しいとみる。ただし、米国が戦局で優勢を保つ状況で、敵対国の水中ドローンを手に入れたという事実自体が、イランにとって宣伝効果をもたらし得ると評価する。

実際にイランは今回の事件を積極的に宣伝している。世界各国のイラン大使館はソーシャルメディア(SNS)を通じて、米国が無人潜水艇を失った出来事を嘲笑する投稿を相次いで掲載した。

モナ・ヤクビアン・米国戦略国際問題研究所(CSIS)中東プログラム局長は、イランが過去にもこの種の事件を米国の無能さを際立たせると同時にホルムズ海峡に対する統制力を誇示する手段として巧みに活用してきたと分析した。

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