米国経済が7月初以後、緩やかな成長基調を続け、物価も適度な水準で上昇したとの評価が出た。データセンターと国防関連需要が製造業活動を下支えした一方で、高止まりするエネルギー価格やイラン戦争をめぐる不確実性は高まった。
米連邦準備制度(Fed・FRB)は2日(現地時間)に公表した景気動向報告「ベージュブック」で「12の連邦準備銀行(地区連銀)の管轄地域のうち、10地域は小幅から緩やかな成長、2地域は変化なしと報告した」と明らかにした。
雇用はごく小幅の増加にとどまり、物価は適度な水準で上昇したと調査された。
FRBは「向こう数カ月に対する全体的な見通しは前向きだったが、業種別のセンチメントは割れた」とし、「企業関係者は高いエネルギー価格と政策、国際紛争の影響をめぐる不確実性が高まったと報告した」と説明した。
ベージュブックは、米国の12地区連銀が管轄地域の銀行や企業、専門家などに接触して直近の経済動向を収集した報告書である。通常、金融政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)会合の約2週間前に公表される。
今回のベージュブックは、15〜16日に開かれる9月FOMCを前に、先月24日までに収集した資料を基に作成された。
産業別では、大半の地域で製造業活動が増加した。とりわけ国防とデータセンター関連の受注需要が目立った。人工知能(AI)が労働需要に与える正の影響と負の影響の双方も報告された。
消費部門では、高価格帯製品への支出が堅調な一方、消費者の価格感応度は高まったことが示された。
ただし、今回のベージュブックの内容だけでは9月の政策金利決定の方向性を見極めるのは難しいとの分析が出ている。市場は現在、利上げの可能性を約62%、据え置きの可能性を約38%と織り込んでいる。
ケビン・ウォッシュFRB議長は先週、物価上昇率がFRBの目標である2%に向けて「明確かつ十分なペースで」低下しているとの確信が得られない場合、利上げの可能性を開いておくとの立場を示した。