米国の8月の民間企業の雇用増加幅が市場予想を下回ったと集計された。
2日(現地時間)、米雇用情報会社オートマティックデータプロセッシング(ADP)によると、8月の民間企業雇用は前月比3万8000人の増加にとどまり、市場予想の4万8000人と前月改定値の4万6000人をともに下回った。雇用自体は増えたが、増加幅は1月以来で最も小さい。
業種別では、教育・保健サービスが4万5000人増加し、最も大きな伸びを記録した。とりわけ保健医療部門が増加を牽引した。レジャー・接客業と建設業もそれぞれ1万6000人、1万2000人増えた。
一方、製造業は1万7000人減少した。専門・経営サービスも1万6000人減った。天然資源・鉱業と貿易・運送・公共サービス部門でも雇用が減少した。
4日に米国労働省が発表する公式の非農業部門雇用指標も同様の流れを示すかが注目される。市場では、8月の非農業部門雇用が5万3000人増加し、1カ月ぶりに増加基調へ戻るとの見方が出ている。
雇用の鈍化は米連邦準備制度(Fed・FRB)の金利決定にも影響を及ぼし得る。雇用が弱くなれば景気後退を防ぐために金利を引き下げる必要性が高まるが、物価が十分に下がっていない局面で利下げに踏み切ればインフレが再燃する可能性があるためだ。
ケビン・ウォッシュFRB議長も最近のジャクソンホール会合で物価への懸念を示し、タカ派的な姿勢を見せた。ただし、雇用市場の鈍化が鮮明になれば、高い水準で金利を維持することも景気の重荷を増す可能性がある。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のフェドウォッチは、この日のADP雇用指標の発表後、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利が0.25%ポイント引き上げられる可能性を66.2%と予測した。前日の67.2%からわずかに低下したが、1週間前の36.6%と比べると大幅に上昇した。