世界最大のライドヘイリング企業であるUberが、全体の事務職社員の約10%に当たる3300人を削減する。新型コロナのパンデミック以降で最大規模のリストラである。急速な成長過程で肥大化した組織を効率化しコストを削減する一方、ロボタクシーなど将来事業に投資する余力を確保する動きだ。これに加え、米国のフードデリバリー市場でドアダッシュ(DoorDash)に劣後するなど既存の主力事業で競争圧力が強まったことも、今回の人員削減の背景として挙げられる。

Uberのロゴ。/ロイター通信

2日(現地時間)フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、Uberは事務職社員3300人を削減し、組織内の管理職数も20%減らす計画だ。また、社員が1〜2人のいわゆる「マイクロチーム」も半減し、ダラ・コスロシャヒUber最高経営責任者(CEO)から組織図上で7階層以上離れている社員数も縮小することにした。

コスロシャヒCEOは社員へのメッセージで「ここ数年で会社が急速に成長する中、より多くの階層や調整、分散した責任など、組織の複雑性が増大した」と説明した。事業規模が小さい時には適合していた組織構造が、現在のUberの規模ではもはや適切に機能していないという意味である。

シティグループ(Citi)は今回のリストラによりUberが年間約8億2500万ドル(約1兆1200億ウォン)のコストを削減すると試算した。ロナルド・ジョシ・シティグループアナリストは「(今回の人員削減が)少なくとも一部は、Uberの人工知能(AI)投資により効率性が高まったため可能になったはずだ」と分析した。

◇人員は減らすがロボタクシーには100億ドルを『ベット』

このようにUberが組織と人員を減らす一方で、ロボタクシー事業には積極的に投資している。Uberはロボタクシーネットワークの拡大に100億ドル(約13兆6000億ウォン)以上を投じることにした。世界で2億人以上の利用者を抱える自社プラットフォームが、自動運転車の商用化競争で強みになり得るとの判断からだ。

Uberは今年、少なくとも15都市でロボタクシーサービスを運営する計画だ。アルファベット傘下の自動運転企業ウェイモ(Waymo)やイーロン・マスクが率いるテスラ(Tesla)などが主要都市でロボタクシーサービスの拡大に乗り出しており、競争も激化している。

Uberもロボタクシーの商用化に拍車をかけている。先月、Uberの英国パートナー企業ウェイブ(Wayve)は、ロンドン交通局(TfL)から安全要員が運転席に乗車する方式の商用ロボタクシーサービスを開始できる許可を得た。

英国ロンドンで初めてUberが正式投入した認可済み自動運転タクシー。1日(現地時間)、ロンドンのウェストミンスター通りを走行する自動運転車の様子。/AP通信

◇配達市場に『赤信号』…競合ドアダッシュのシェア64%

フードデリバリー事業の競争激化も、Uberが組織の効率化に踏み切った背景である。ウーバーイーツ(Uber Eats)は英国、フランス、ドイツではフードデリバリー市場のシェアを伸ばしているが、最大市場の一つである米国ではドアダッシュに押されている。市場調査会社イピットデータ(YipitData)によると、ドアダッシュの米国フードデリバリー市場シェアは約64%で、新型コロナのパンデミック事態が終息して以降で最も高い水準を記録した。一方、ウーバーイーツのシェアは31%にとどまった。

こうした状況で、Uberはフードデリバリー事業の組織も再編している。配達員と飲食店、小売事業部門のオペレーション組織を統合する一方、新たなグローバルのデリバリー事業責任者や営業責任者などの適任者も模索している。現在デリバリー事業部は、アンドリュー・マクドナルドUber社長が暫定で代行している。6月、スーザン・アンダーソン事業部責任者が会社を離れて以降、まだ正式な責任者を選任できていないためだ。

今回のリストラは、Uberが既存の組織とコスト構造を単純化し、削減した資源をロボタクシーなど将来の成長事業に集中させようとする動きとみられる。Uberの株価は年初来で7%下落した。ライドヘイリングとフードデリバリー市場で競争が激しくなる中、組織の効率化で確保した投資余力をロボタクシーなど将来事業の競争力にどこまで結び付けられるかが、今後のUberの課題となる見通しだ。

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