中国不動産市場を支えてきた先売り制度が大幅に縮小される見通しだ。住宅を建てる前に購入者から資金を受け取り事業を拡大してきたデベロッパーの資金調達手法が不動産危機を拡大させた要因と指摘されるなか、中国政府が20余年ぶりに住宅販売制度の全面的な見直しに乗り出した。中国不動産危機の象徴である恒大(エバーグランデ)事態以降も続いた市場低迷が、ついに不動産開発業の資金調達のあり方そのものを変えるところまで至ったとの分析である。

北京朝陽区の都心マンション。/北京=イ・ウンヨン特派員

中国住宅都市農村建設部などは先月28日、住宅販売制度を改善する内容の規定を発表した。新規定によると、住宅購入者が支払った代金は別のエスクロー口座に保管される。デベロッパーが約束した時期に住宅を引き渡せない場合、購入者は契約を解除し、納付した資金を返金してもらえる。先売りは建物の骨組みが最上層まで上がった段階以降にのみ可能とした。

◇ 不動産ブームをけん引した先売り、危機を拡大させた落とし穴に

中国の先売り制度は不動産ブームをけん引した中核の資金調達手段であった。デベロッパーは土地を確保してから数カ月で未完成の住宅を販売し、購入者は工事が相当程度進捗した段階で代金の大半を支払う形だった。デベロッパーはこうして確保した資金を再び土地の取得に充て、事業を迅速に拡大した。

問題はデベロッパーの過度な借り入れを規制する過程で始まった。中国当局が2020年代初頭にデベロッパーの借入を制限すると資金調達が行き詰まり、すでに分譲を終えたものの未完成の住宅が続出した。購入者は住宅を受け取れないまま、すでに支払った資金まで失うリスクに直面した。中国不動産市場が本格的に揺らぐなか、先売り制度そのものが市場の構造的な弱点として浮上した。

中国河北省石家荘郊外にある恒大の未完成マンション。/ロイター聯合ニュース

中国人民銀行はすでに2005年、デベロッパーの未完成住宅の先売りを禁止するよう勧告した経緯がある。しかしその後も先売り制度は20年以上維持された。ブルームバーグ通信によると、2025年末時点でも先売り比率は75%に達していた。今回の制度改編が単なる消費者保護措置にとどまらず、中国不動産開発業の資金調達構造を改める措置と評価される理由である。

◇ 不動産開発にブレーキ…地方政府の歳入減懸念も

ただし先売りの縮小が不動産市場に別の負担となる可能性も指摘される。先売りはデベロッパーが事業初期の資金を確保する主要手段であるだけに、これを制限すれば新規事業の推進が難しくなり得るためだ。リサーチ会社ガベカルドラゴノミクスのチャン・シャオシー研究員は「現在、既存規定の適用を受ける開発案件が消化されれば、2027年の新規開発事業は相当幅で減少し得る」と展望した。

地方政府も負担を抱える可能性がある。中国の地方政府はこれまで土地使用権の販売を主要財源として活用してきたが、不動産低迷で土地売却収入が大きく減少している。ブルームバーグは「新規開発と土地需要が萎縮すれば、地方政府の財政環境も悪化し得る」としつつ「ただし、新規住宅の供給が減ることで、長期的には住宅価格の安定に資する可能性もある」と述べた。

チャン研究員は報告書で「当局が不動産リスクを低減すると約束してきた以上、新規住宅の着工が減少することや、それに伴う困難は甘受すべき代償と見なされ得る」と分析した。

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