習近平中国国家主席とウラジーミル・プーチンロシア大統領が31日(現地時間)キルギスで会談した。両国が貿易・エネルギー・科学技術などの分野で協力を強化することで一致する中、大型ガスパイプライン事業「シベリアの力2」の合意の有無に関心が集まる。
31日、中国国営新華社通信とロシアのタス通信によると、両首脳はこの日午後、キルギスの首都ビシュケクで上海協力機構(SCO)首脳会議出席を機に会い、二国間協力の強化を協議した。今回の会談はこの日午後のプーチン大統領のビシュケク到着直後に行われた。両首脳が対面したのは5月のプーチン大統領の訪中以来、およそ3カ月ぶりである。
報道によると、習主席は5月のプーチン大統領の中国国賓訪問に言及し、「新たな情勢下で中露の各分野の協力を深化させることで合意した」と明らかにした。続けて、両国関係が活発な交流・協力の流れを維持しているとし、首脳間の戦略的指導と共同の努力で両国関係の基盤を一層盤石にすると述べた。
プーチン大統領も両国関係が「国家間関係の模範となった」と評価し、両国が貿易・エネルギー・産業・交通・科学技術などの分野の協力を強化し、高位級の交流を続けることを希望すると語った。プーチン大統領はあわせて両国間のビザ免除制度を恒久化することを提案した。ビザ免除制度が今年上半期の両国間の観光客の流れを43%増やすのに寄与したとし、「中国側が可能かつ有益だと判断するなら、ビザ免除制度を恒久化するために共に努力する用意がある」と述べた。
ドミトリー・ペスコフ露大統領府(クレムリン)報道官は、両首脳が国際的懸案についても簡潔に意見を交換したものの「国際情勢は主要議題ではなかった」と述べた。続けて「ウクライナ事態も付随的に言及されたが、実質的な議論はなかった」と付け加えた。
◇「シベリアの力」合意に注目…「中露の力点は中国に傾く」
ロシアメディアがクレムリンのユーリー・ウシャコフ補佐官を引用して報じたところでは、この日の首脳会談では両国の大型ガスパイプライン事業「シベリアの力2」も協議された模様だ。
シベリアの力2は、ロシアのヤマル半島からモンゴルを経由して中国へ天然ガスを輸送するパイプライン建設事業である。ロシアと中国は2006年から西シベリアのガスを中国に供給する方策を協議しており、現在のモンゴル経由ルートは2019年から具体化した。年間最大500億㎥規模のロシア産天然ガスを中国に輸出することを目標とする。両国は5月のプーチン大統領の訪中時にこの案件を協議したが、供給価格などの詳細で立場の隔たりを埋められず、合意には至らなかったと伝えられる。
米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)はこれに関連し、「中国は西側の制裁でロシアの販路が狭まった状況を活用し、最大限有利な条件でロシア産エネルギーを確保しようとしている」とし、「ロシアに国内市場水準の低価格を要求している」と伝えた。続けて「ロシアは中国という巨大市場に依存する代わりに、価格を譲らざるを得ない状況だ」とした。
WSJはあわせて、中露関係の力点が中国側へ移動していると分析した。ウクライナ戦争の長期化でロシア経済の対中依存度が高まっているためだ。一方で中国はロシア産の廉価な原油を確保し、西側企業が撤退したロシアの内需市場に進出するなど経済的利益を得ている。WSJは「ロシアが中国に一層依存する状況で、プーチン大統領は実質的に中国との関係で『下位パートナー』の役割を受け入れることになった」とした。
一方、習主席は前日、上海協力機構(SCO)首脳会議への出席とキルギス国賓訪問のためビシュケクを訪れた。SCO首脳会議は、中国、ロシアが2001年にカザフスタン・ウズベキスタン・タジキスタン・キルギスなど中央アジア4カ国と設けた協議体である。その後、インド・パキスタン・イラン・ベラルーシなどが追加加入し、現在の加盟国は10カ国である。