人工知能(AI)競争に参入したグローバル技術企業が2030年までにデータセンターに7兆ドル(約9700兆ウォン)を投じるとの見通しが示されるなか、ウォール街の懸念が深まっている。現金を潤沢に持つビッグテックでさえ巨額の投資費用を自前資金だけで賄うのが難しくなり、金融圏で社債・貸出など外部資金に依存する例が増える一方で、データセンターとAI半導体の価値が急速に低下したりAI需要が期待に届かなかったりすれば、投資リスクが技術企業を越えて金融圏へ広がりかねないためだ。

ウォール街(Wall Street)の標識。/ロイター通信

26日(現地時間)フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、技術企業が2030年までにデータセンターに投じる資金は約7兆ドル(約9700兆ウォン)に達する見通しである。特に数百億ドルの現金を保有するビッグテックも自前資金だけでは必要なインフラ整備が難しくなり、金融圏の資金が大量に投じられている。

AIインフラが米国経済で占める規模も拡大している。ステイン・ファン・ニウウェルブルフ・コロンビア大学ビジネススクールのエコノミストは、今後AIインフラ整備が米国経済の生産の約2.8%を占めると試算した。アマゾンとマイクロソフト(MS)、アルファベット、Meta(メタ)などいわゆる「ハイパースケーラー」4社がAIブーム以降に締結した賃貸契約も、今後発効する契約まで含めると1兆5000億ドル(約2079兆ウォン)を上回る規模である。

問題は、巨額の借入で構築したデータセンターと、その内部に搭載されるAI半導体が資金調達期間を通じて現在の価値を維持できるか確信できない点である。エヌビディア(Nvidia)が毎年性能を改善した新型半導体を投入する状況では、既存半導体は数年内に価値が急速に下落する可能性がある。データセンターに入った半導体を担保に資金を貸し出した金融会社の立場では、貸出金を回収する前に担保価値が下がるリスクを抱えることになる。

特にデータセンター自体の長期価値も不確実だ。現在のデータセンター投資は、今後も巨額のAI演算需要が続き、施設を継続的に活用できることを前提としている。しかし技術進歩によってAIモデルを動かすのに必要なコンピューティング資源が減少したり、供給が需要を上回ったりする場合には、データセンターの価値が予想より速く低下する可能性を排除できない。

こうした不確実性は実際の資金調達コストに反映され始めた。米国のデータセンター企業QTSは4月、ジョージア州フェイエットビルのデータセンター建設のために46億ドル(約6兆3000億ウォン)規模の社債を発行した。当時の受注は発行額の約3倍に達した。

しかし投資家はその後、当該データセンターの最初の賃貸契約が終了する前に社債元本がすべて償還されない点に注目し始めた。賃貸契約終了後に新たな入居企業を確保できなければ、社債の償還にも支障が生じ得るためだ。実際にQTSが今月新たに発行した社債の利回りは7.2%を超え、4月の5.7%から大幅に上昇した。FTは、ジャンク格付け(投資適格に達しない高リスクの信用格付け)企業の資金調達コストと同水準だと伝えた。

米カリフォルニア州オークランドにあるデジタルリアルティのデータセンター。写真は記事内容と無関係。/ロイター通信

大手銀行は既にデータセンターに集中するリスクを抑える方策を模索している。JPモルガン・チェースとモルガン・スタンレー、三井住友銀行(SMBC)は、貸出は簿外にせず据え置いたまま損失リスクの一部を外部投資家に移転する「合成リスク移転(Synthetic Risk Transfer・SRT)」取引を検討した。一部のデータセンター事業では特別目的会社(SPV)を活用し、ビッグテックの連結外に事業を置いて外部投資家がリスクを負担するスキームも用いられている。

金融圏が勘案すべきリスクは資産価値の下落にとどまらない。データセンターが莫大な電力と水を消費することで、米国各地で住民反発が強まっている。3月のギャラップ調査では、米国人10人のうち7人が自分の住む地域にデータセンターが立地することに反対だと答えた。バージニア州ではブラックストーンが支援するデータセンター事業が住民の反対と訴訟に直面して中止され、一部の地方政府は新規データセンター開発の一時停止に踏み切った。事業の途中で許認可が取り消されれば、既に資金を貸し出した金融会社が損失リスクを抱える可能性もある。

保険でリスクを全面的に遮断するのも容易ではない。データセンター1カ所の建設費が100億ドル(約14兆ウォン)を超える事例が一般化し、自然災害や停電などに必要な保険規模も急拡大した。FTによると、Meta(メタ)がテキサスに建設する140億ドル(約19兆ウォン)規模のデータセンターは、保険でカバーされる部分が全体の一部にとどまり、災害や停電が発生すれば数十億ドルの損失にさらされ得る。

このとき最大の変数はAI需要だ。現在のデータセンター投資は、AIが生産性と企業利益を大きく押し上げ、そのための巨額な演算需要が長期にわたり続くという見通しを前提とする。しかしAIモデルの効率性が予想より速く改善したり、データセンター供給が需要を上回ったりする場合には、巨額の資金を投じた施設が十分な収益を上げられない「座礁資産(stranded asset)」として残る可能性もある。

信用分析会社クレジットサイツ(CreditSights)のアンディ・デブリース・ユーティリティ業種担当者は、AI演算の供給能力が2029年以降に需要を上回り始めると予測した。データセンター投資ブームが冷え込む場合、その衝撃はビッグテックと金融圏にとどまらない見通しだ。データセンター誘致のために税優遇を提供した地方政府は税収不足に直面し、地域社会に残されたデータセンター関連コストが一般消費者の公共料金負担につながる可能性もあるとFTは伝えた。

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